「私は、幼い子どもたちが、好奇心大盛に遊びに夢中になっている姿を見るたびに、人間の本質とは、積極的な自発性だと確信する。何に対しても好奇心を示さず、自発的でない子どもなど見たことがない。つまり、人は、自発的に行動するように初期設定されているのではないか? そして、人が受動的になるのは、人の本質というより、なにかが原因で後天的に設定が変わってしまっただけではないのか?」−−
米国のクリントン政権下で、Gore副大統領の主席スピーチライターだったDaniel Pink氏は、自身の著書「Drive」(大前研一氏が翻訳した日本語版のタイトルは「モチベーション3.0」)の中で、このような内容のことを語っている。
Pink氏は、人の設定を「受動的」に変えてしまう要因のひとつは、マネジメントかもしれないとも言っている。そしてそれは、「マネジメントの持つ幅広い指導原理が、学校や家庭、その他多くの生活の局面に入り込んでいるためだ」という。昔はそれでもよかった。むしろ、理にかなった手段だった。しかし、現代では、個人の充足感だけでなく、経済的達成の面においても「自主決定性」に軸が置かれるようになっている。
つまり、マネジメントに「反応」しているだけではダメで、「自分の意志と選択による行動」が必要だということ。そのために、人間の先天的な能力である自己決定力を強化する必要がある。私もこの意見に賛同する。自分で決め、実行したことは、成功すればその達成感が大きいだけでなく、たとえ及ばなくても「やるべき事はやった」という納得があり、後悔は少なくなる。
会社で配属される部署やセクションは、いわば「人事的にあてがわれたチーム」だ。もちろん、企業に所属する限り、この人事的に編成されたチームの中で、腕を振るわなくてはならない。
しかし私は、この人事的チームとは別に、自分のオリジナルチームを作ることを勧めたい。例えば、それは同期入社の中で、自分がこれはと見込んだ仲間だったり、セクションやキャリアを超えて興味を持った人だったりする。仕事の関係で知り合った社外の人もいいだろう。つまり、日常の環境の垣根を超えて、情報交換や相談ができ、モチベーションが高まるような知的な刺激を与えてくれるチームを、自分がハブとなって能動的に作り上げることが大切なのだ。自分を取り巻く環境を自分自身がデザインすることで、世界が広がり、仕事のスタイルも変わってくる。
問題を解決するためには、思考や情報を整理して、コンセプトやビジョンを導き出し、適切な形にして、わかりやすくその価値を伝えていく必要がある。
そこで重要となるのは、解決までの「ストーリーを作り出す」ことだ。
一つひとつの思考や情報は、バラバラのコンテンツにすぎない。そこで、それぞれのコンテンツや情報同士を因果関係でつなぎ合わせて、ひとつのストーリーとして再編する。コンテンツからストーリーを作ることができれば、全体像が浮かび上がり、そこからさらに未来に向けたストーリーを描くことができる。そうすれば、示すべきコンセプトやビジョンはより明快になるはずだ。
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