データセンターにおける仮想化技術
企業ネットワークは、その足周り部分にADSLや光が使われるようになり、その帯域が上がったことによって、物理的な場所とアプリケーションのレスポンス、あるいはユーザビリティが比例しなくなった。一方で、コンプライアンスに対応するために、社内にファイアウォールやIDS/IDP(侵入検知システム、侵入検知防御)などの様々なアプライアンスが導入されるようになった。
ところが、それらの機器を管理する手間は想像以上に大きく、管理者の手に余るようになった。そこでそれらの管理業務をサービスとして請け負うサービスプロバイダーが登場した。業務アプリケーションも同様の流れがあり、SaaS(Software as a Service)の台頭に見られるようなASPやデータセンターへの集約が起こっている。
いまASPやデータセンターに一番フィットするのが仮想化だ。すでに企業のネットワークはデータセンターに集約され始めている。ただ、それは企業が所有する様々なネットワーク機器を、企業ごとにデータセンターへ移したに過ぎない。何らかの障害が起きたとき、他の企業への影響を最小化するためだ。こうして、いままでは箱を別々にするしかなかったが、複数の企業が箱を共有する仕組みやつなぎ込む仕組み、あるいは動的に変更をかけられる仕組みが、いま検討され始めている。
仮想化の先に組織化がある
バラバラだった箱を共有型にし、各企業にはSLA(Service Level Agreement)で品質保証する仕組みを仮想化技術で実現する。さらに今後は、多様な箱が持つ機能を統合的に管理できる機能や、オペレーション側で簡単にニーズに対応できる機能、上位のアプリケーションと連携して自動的にネットワークの設定が変更される機能など、周囲の機器の機能とオペレーションプロセスとを連携させた、いわゆる組織化が起こるだろう。
より具体的なイメージとしては、データセンターに設置されていた多様な箱は、それらの箱が持つ機能をすべて搭載した「バーチャルサービススイッチ」に集約される。企業ネットワークが必要とするファイアウォールやIDS/IDPなどの機能が、バーチャルサービススイッチから仮想的に短期間に割り当てられるのだ。
そのとき重要なのはSLA、つまりサービス保証だ。その対価を企業はデータセンターに支払う形になる。データセンターの観点では、プロトコルの各レイヤにおける課金の仕組みも、バーチャルサービススイッチで提供することになる。近い将来、私たちノーテルネットワークスが、このような仮想化の姿をお見せすることになるだろう。
筆者紹介
犬塚昌利(いぬづか まさとし)
ノーテルネットワークス エンタープライズアンドチャネルズ営業本部
テクニカルセールス&マーケティング ディレクター
経歴:
外資系通信事業者に勤務の後、1998年ベイネットワークスヘ入社。ルータ製品のテクニカルサポートエンジニア、Broadband Access Server、L4-L7スイッチ、ファイアウォール等セキュリティ製品のプレセールスエンジニアを経て現職へ。
一言:
どんな技術も1、2年もすると陳腐化していく、スピード感のあるこのネットワーク業界ですが、ほとんど趣味の延長の感覚で楽しみながら付き合っています。今後の注目キーワードは仮想化? 数年前のトレンドを繰り返している気も少し感じる今日この頃です。
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