マイクロソフトのZune VideoX:iTunesキラーとなるか?

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:菊地千枝子

2008-04-17 12:14

 「Zune Marketplace」はiTunesキラーではない。しかし「Zune VideoX」はそうなる(少なくともそうなるように試みる)かもしれない。

 最近Microsoftの壮大なエンタテインメント市場またはサービス(コード名「eLive」)について聞いたが、今度また新たに同社のエンタテインメント市場に関する話が伝わってきた。これは現在「Zune VideoX(Video Experience)」として知られている。

 このイニシアティブの背後で主要な推進役を果たしているのはEntertainment and Devices eHome Divisionのコーポレイトバイスプレジデントを務めるJoe Belfiore氏だといわれている。Belfiore氏は、「Microsoft Windows XP Media Center Editionおよび、Media Center ExtenderやMedia Center DVRといった関連デバイスの開発、業務管理、マーケティング」の責務を担っている、というのが最後に聞いた話だ。Seattle Post-Intelligencerの記者であるTodd Bishop氏が米国時間4月15日に指摘したとおり、Belfiore氏は現在Zuneに関係した何らかに取り組んでいると噂されている。)

 Zune VideoXはZune Marketplace の「再訪」ではないと、情報筋は述べている。むしろこれは、MicrosoftがXbox Live Marketplaceの成功から学んだ教訓をZune市場に応用しようという試みなのだと、ある匿名希望の情報筋は述べている。これはZuneユーザーが音楽、動画、TV番組、そのほかの娯楽コンテンツを購入し、ダウンロードできるようなシングルハブとなるという。

 Microsoftは統合されたエンタテインメント市場を築くことを長年にわたり唱え続けてきた。そのような試みのひとつは「Alexandria」とのコード名を与えられた。もうひとつがeLiveであり、これは単一の統合された「娯楽市場」であり、消費者はそこに訪れて、Windows PC、Xbox、Zune、Windows Mobile端末で動作するような音楽、ビデオゲーム、その他のコンテンツを購入できる場所と考えられている。

 それでは、空に描かれた単一の巨大な娯楽サービスまたは市場というコンセプトは忘れ去られてしまったのか?

 筆者の情報筋のひとりは、eLiveは去り、Zune VideoXにより置き換わったと考えている。

 「eLiveはZune Videoxに改称され、作り直され、eLiveのビジョンはZuneに注力するために縮小された」と、この匿名希望の情報筋は述べている。

 同筋は次のように続けた。「ここでの重要な教訓は、BillG(Bill Gates会長のこと)による「統合された革新」のスローガンがついに衰え始めてきたことだ。この社会主義的な視点は、エンジニアリングチームが他チームのコードやアプローチを再利用するようなプレッシャーをかけられていたことを意味した。たとえそれにより、IPトランスファーの多くが完璧に当てはまらなかったり、あるチームの顧客市場の特定のニーズを満たすには書き直しが必要であったりしてもだ。」

 筆者はMicrosoftに対し、この混乱した状況についてのコメントを求めた。

更新情報:16日にMicrosoftの広報担当者が以下のように回答した:

 「E&D(Entertainment & Devices)がわが社の結合したエンタテインメント戦略を実現できるように熱心に取り組んでいるところだ。Zuneを含むわが社の全てのソフトウェアプラスサービスに対する多額の投資も含め、いずれ数多くの断片が結集することになるだろう。しかし現時点では新たに発表できることは何もない。」

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. 運用管理

    メールアラートは廃止すべき時が来た! IT運用担当者がゆとりを取り戻す5つの方法

  2. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

  3. セキュリティ

    経営陣に伝わりづらい「EDR」の必要性、従来型EDRの運用課題を解決するヒントを解説

  4. セキュリティ

    AIサイバー攻撃の増加でフォーティネットが提言、高いセキュリティ意識を実現するトレーニングの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    中小企業のDX奮闘記--都市伝説に騙されずに業務改善を実現したAI活用成功譚

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]