Windows 7:続く情報封鎖

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:菊地千枝子

2008-05-20 09:16

 Microsoftが「Windows 7」の情報をようやく提供し始めることになるのは、いつなのだろうか?

 結局のところ、Microsoftがもしこのオペレーティングシステムについて、よく引用されている「同社いわく2010年」の出荷目標を守るとすれば、それは今からちょうど2年後となる。開発者にとって2年間は、新Windowsリリースの新機能や特性を特別に活かすように設計した新製品を構築するか否かを判断するには十分な時間だとはいえない。また配備プランに苦戦するIT管理者にとっても(Vistaを今導入するか、あるいはWindows 7をあと2年待つべきかという問題があるように)、Windowsの次期バージョンの「窓」が大きく開かれているとはいえない。

 Microsoftの顧客とパートナーが「Vista Service Pack(SP)1」に関する情報を求めていたとき、Microsoft関係者の一部は、同社の新たな「半透明性(translucency)」ポリシー(透明性(transparency)に対して)を主張していた。変更するかもしれない情報をあまりに多く提供しても、Microsoftは顧客やパートナーを全く助けていないことになると、「半透明性」の主張者は論じていた。しかしこの新ルールがMicrosoft支持者にとって良いことであると、Windowsチーム全員が思っていたわけではなかった。Microsoftはその「半透明性」強硬路線を巻き戻す必要があったと聞いた(内密に――上層部に抵抗しているところを知られたくないためだ)。

 WindowsとWindows Live Engineering Chiefを務めるSteven Sinofsky氏が、Microsoft内部のブログ記事で(拙書『Microsoft 2.0』のために全文を同サイトに掲載している)この新たな情報公開ポリシーを明らかにして以来、ほぼ1年になる。

 MicrosoftがいまだにWindows 7の情報をいっさい提供していないことについて、Microsoftの顧客、テスター、その他の筋(とくに内部筋)から不満の声が高まっている。沈黙が耳に痛い――そして不安を感じる――と彼らは言う。「Internet Explorer 8」でもそうだったように、これはMicrosoftのWindowsクライアントチームがやる気がなくて、何もやっていないという問題ではない。むしろこの不安は、Microsoftが外部からのインプットをあまり取り入れずにWindows 7の構築に向けてばく進していることから来ているのである。Vistaを悩ませた互換性やマーケティングの悪夢を思うと、MicrosoftはユーザーがWindowsの新バージョンに対して本当に求めていることにもっと影響力をもたせることに関心を持つかもしれないと考えられるのだが。

 読者はMicrosoftから出荷目標日以外にもWindows 7に関する情報を必要としているか?もしそうなら、どんなことをすぐにでも知りたいと思うか?

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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