Microsoftは海賊版が最も多く出回っているWindows製品である「Windows XP Professional」について、新しい「Windows Genuine」通知ソフトウェアを開始し、ソフトウェアの海賊行為に対する戦いをさらに前進させようとしている。
Windows Genuine Advantageブログのなかで米国時間8月26日、Genuine Windowsのディレクターを務めるAlex Kochis氏は、XPユーザーはMicrosoftが「Windows Genuine Advantage(WGA)」による通知の新バージョンを今週から提供し始めることを予期すべきだと述べた。Microsoftはこの提供には数カ月間かかるとみている。
この新たなWGA通知は、MicrosoftがWindows Updateを通して提供する予定である(すでにMicrosoft Download Centerから個人によるダウンロードが可能となっている)が、かつて2007年12月に「Windows Vista Service Pack(SP)1」で導入されたWGA通知と同じように動作する。具体的には「真正でない」とみなされたXPのコピーのユーザーは、画面の背景がデフォルトの黒となり、白色文字により、そのWindowsが偽物かもしれないと警告されるのだ。
(アップデート:Microsoft関係者はXPのWGAは「reduced functionality mode(機能性縮小モード)」別名「kill switch」をデフォルトにしたことはないと指摘した。これはWindows Vistaが初めて出荷された際に含まれていた。
「Windows XPには『kill switch』と一般に言われる機能性縮小モードは含まれなかった。そして今でも含まれていない」と広報担当者は述べた。「このアップデートは単に、Windows Vista SP1での通知を反映する通知体験を再設定するものである。」)
新しいWGA XP通知アップデートにより、Microsoftは盗品または海賊版のソフトウェア、そして偽のプロダクトキーを検出し易くなると同社関係者は述べている。同社はプロダクトアクティベーションを迂回しようとするユーザーに対する障壁も新たに加えると、ブログ記事で述べられている。
新リリースではとくにXP Professionalユーザーが対象とされている。Kochi氏の投稿からは以下の通り:
「本リリースでやろうとしていることはもうひとつ、最も頻繁に盗まれる製品エディションに焦点を当てることである。これによりそのようなパッケージを提供される顧客の数が減少する。このリリースは最も海賊版が多いWindows XPエディション、したがって真正でないコピーを持っている可能性が最も高いユーザーに提供される。つまりWindows XP Proのユーザーである。われわれはまたこれを、TabletやWindows Media CenterといったProのコードに基づくエディションのユーザーにも提供する。しかし将来のリリースではProに提供を狭める予定である。」
以前にWGA通知をオプトインしなかったXPユーザーは、インストレーションウィザードではなく、End User License Agreement(EULA)を受諾するように要求される。EULAに合意するユーザーは、反海賊行検証コントロールを自動アップデートされることに合意することになる。
「Microsoftはこれらの変更により、インストレーションプロセスを単純化し(顧客を最新の状態に維持しやすくする)、これらの通知の有効性を拡大し、Windows XPとWindows Vistaに通じた体験を連携させる」と同社の広報担当者が提供した声明は述べている。
Microsoftが真正でないVistaに対する「kill switch」を単なる「ナグウェア(しつこく登録を催促するウェア)」に置き換えたときには、多くのユーザーから称賛を得た。XP Proユーザーが新しく登場する通知スキームについて、いずれにせよ、どのように感じるものだろうか。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ