Microsoftは、「Windows Media Center」でNetflixの「Watch Now」に対応したと発表した。これは、Microsoftが人為的に市場を分割しようとする格好の例といえる。
Microsoftが先週、この最新サービス--「Vista Media Center Edition」のみで動く(Microsoftは「Windows 7 Media Center」での対応については計画を発表していない)--を発表した際、これは良い知らせのようにみえた。しかし、すぐにこのサービスは意図的に不能にされたものであることが明らかになった。
NetflixのMedia Centerサービスは、Microsoftの「Media Center Extender」では動かない。つまり、Netflixの映画とTV番組は、Media Center Extenderを組み込んだ他の消費者向け端末では、ストリーミングできないということになる。これについて、Media Centerの「Most Valuable Professional」と称するChris Lanier氏は、ブログで次のように記している。
数週間前からNetflixアプリケーションを試している。最初のベータをダウンロードするとき、リリースノートにExtenderがサポートされていないと書かれていた。そのときは、そのうち変更するだろうと思っていた。だが悲しいことに、その後変更はなく、その計画もないようだ。秘密保持契約(NDA)があったので、この部分についてブログで紹介するつもりはなかった。だが、TechFlashがこれについて報告しているので、私も書くことにする。Extenderがサポートされていない理由の一部は、MicrosoftがMedia Centerと「Xbox 360 Dashbord」とを競合させないようにするためなのだ。
ExtenderでSilverlightを動かすにあたっての技術的な要素を別にすると、Netflixの一件は大きな問題を浮き彫りにするものだ。つまり、Microsoftは、ExtenderプラットフォームよりもXbox 360 Dashboardをプッシュするつもりだということを再確認させるものといえる。
NetflixのMedia CenterサービスでExtenderがサポートされていないことに憤慨しているMicrosoft技術ファンは、Lanier氏だけではない。Zoomrの最高経営責任者(CEO)、Thomas Hawk氏は次のように記している。
Media Center Extender技術でMicrosoftは、PCで出来ることすべてを、ホームネットワーク内にあるTVに接続した端末で静かに、容易にできるということを約束していた。この重要な技術を不能なものにし、Media Center Extender端末を制限することは、後退を意味する。私は、いまある「XBox Live Gold Membership」と同じ50ドルを払って、ぜひともExtenderで利用したい。
MicrosoftがMedia Centerでとる方向性に対して、Microsoftの技術ファンやテスターが公の場で不満を明らかにするのは、これが初めてではない。2008年夏には、「Vista Media Center TV Pack」(開発コード名「Fiji」)の進め方について、あちこちから不満が噴出していた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ