スマートフォンの価値は、インターネットに接続したり、自らのデータにアクセスしたり、職場のコンピュータを操作できるという点にあると言ってもよいだろう。もっとも現在では、さまざまな情報をクラウド上に格納し、どこからでもアクセスできるようにしておくことが可能になっている。とは言うものの、職場に置かれているPCのデスクトップにアクセスし、プログラムやスクリプトを実行させたり、何かをシャットダウンさせたり、そのマシン上で動作中のアプリケーションやサービスをチェックしたりする必要が出てくることもまだあるはずだ。
リモートデスクトップ機能を用いた接続
職場に置かれているコンピュータのOSがWindows XP Professionalであるか、あるいはWindows Vista BusinessやWindows 7 Professional、Windows Serverであれば、それらをリモートデスクトップサーバとして設定することができる。そうすることで、iPhone/iPadやAndroidデバイス、WindowsフォンからRemote Desktop Protocol(RDP)を介して該当コンピュータに接続できるようになる。
WindowsコンピュータがRemote Desktop接続を受け入れるようにするための設定については、このページの手順に従ってほしい。
その際にはファイアウォールを設定し、RDPが許可されるようにしておくことも忘れないでほしい。なお、RDPはデフォルトではポート3389を使用するようになっている。
次に、スマートフォンにRDPクライアントアプリケーションをインストールする必要がある。こういったアプリケーションは、スマートフォンのプラットフォームごとに数多く提供されている。
- Android用クライアントとしては、OmnideskやWyse PocketCloud、Remote RDPなどがある(Remote RDPには無償のLite版と、9.98ドルの通常版、19.98ドルのEnterprise版がある。なお、Enterprise版ではTLS/SSLによる暗号化と双方向オーディオがサポートされている。そして、Lite版ではタッチパッドモードやドライブマッピング、音声、クリップボード、画面の自動回転がサポートされていない)。
- iPhone/iPad用クライアントとしては、MochaSoftのRemote Desktop Lite - RDPやHLWのiTap RDP、SplashtopのSplashtop Remoteがある。なお、2010年10月にはSplashtop RemoteがiPad向けの有料アプリケーションとして4カ国(オーストラリアと日本、韓国、英国)でトップの座を獲得し、カナダと中国で2位につけるとともに、米国の有料ビジネスアプリケーションにおけるナンバーワンの栄誉を勝ち取った(同社プレスリリース)と報じられた。
- Windows Phone 7向けのRDPクライアントは、Windows Phone Marketplaceでもまだ提供されていない(Remote Desktopという名前のアプリケーションがあるが、実際にはVNCアプリケーションである)。その一方、Windows Mobileを搭載した多くのデバイスには、あらかじめリモートデスクトップクライアントが搭載されているうえ、多くのクライアントがさまざまなウェブサイトからダウンロードできるようになっている。