Microsoftの2007年最後の月例セキュリティパッチがリリースされた。これは、何百人ものユーザーを遠隔からのコード実行攻撃の危険に晒していた、少なくとも11件のセキュリティ脆弱性をカバーするものだ。
12月の更新には、少なくとも4つのInternet Explorerに影響する「緊急」のセキュリティ情報が1件と、Windows Media File FormatとMicrosoft DirectXでリモートでコードが実行される可能性のあるバグについての、深刻度の高い2件の個別のセキュリティ情報が含まれている。
IEの更新(MS07-069)に関するもっとも深刻なバグは、ユーザーが未修正のIEを使って特別に作られたウェブページを閲覧した場合に悪用される可能性がある。このバグでは、Windows Vista上の新しいIE 7を含む、ほとんどのバージョンのWindowsでコードを実行される危険がある。
[ ギャラリー:How to use Internet Explorer securely(英語) ]
MicrosoftはMS07-068にも特別な注意を払うことを呼びかけている。これは、Windows Media Format RuntimeがAdvanced Systems Format(ASF)ファイルを処理する際にリモートからコードを実行される脆弱性をカバーするものだ。この問題は、Windows Vistaを含むすべてのバージョンのWindowsに影響する。
Microsoftは、可能性のある攻撃方法を次のように説明している。
「クライアントの Web ベースの攻撃のシナリオで、攻撃者は Windows Media Player を介しこの脆弱性の悪用を意図して設計された Web サイトをホストする可能性があります。しかし、攻撃者が強制的にユーザーにこれらの Web サイトを訪問させる方法はありません。その代わり、通常、ユーザーに攻撃者の Web サイトに接続させる電子メール メッセージまたはインスタントメッセンジャーのリクエスト内のリンクをクリックさせることにより、ユーザーを Web サイトに訪問させることが攻撃者にとっての必要条件となります。サーバーアプリケーションで、サーバーが特別な細工がされたコンテンツを処理した場合、リモートでコードが実行される可能性のある特別な細工がされた Windows Media Format ランタイム コンテンツを作成することにより、攻撃者はこの脆弱性を悪用する可能性があります。」
3つめの緊急のセキュリティ情報(MS07-064)では、マルチメディア(ゲームや動画)のプログラミングを扱う一連のAPIであるMicrosoft DirectXの2つの脆弱性について説明している。Microsoftは、この2つのバグによって、ユーザーが特別に作られたウェブサイトを閲覧するか、特別に作られたコンテンツを持つ電子メールメッセージを開くとコード実行の危険があると警告している。
7つのセキュリティ情報のうち1つ(MS07-066)は、Windows Vistaにのみ関係するものだ。これは特権の昇格により、Windowsのカーネルが特定のアクセス要求を処理してしまうという問題に関する「重要」な修正だ。Microsoftは、この脆弱性を悪用した攻撃者は対象となるVistaのシステムの制御を完全に乗っ取ることができるとしている。
Microsoftはまた、よく知られている--そして攻撃の対象となっている--Macrovisionのsecdrv.sysドライバの脆弱性に関するパッチ(MS07-067)も、遅ればせながら提供した。これは、Windows XPとWindows Server 2003にはデフォルトでインストールされているものだ。この問題は、10月半ばに表面化し、11月始めにMicrosoftによって確認されているが、どういうわけかMicrosoftがWindowsユーザーに対してパッチを提供するのに月例パッチ2回分の時間がかかった。
Server Message Block Version 2(MS07-063)とメッセージキューサービス(MS07-065)に関するコード実行の問題にもパッチが施されている。これらのセキュリティ情報は、「重要」と評価されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ