AppleのMacとPCを比較したテレビCMの1つでは、Windowsコンピューターはウイルス(マルウェア)を引きつけているが、Macは保護されているという強いメッセージが発信されている。PCが感染してくしゃみをしている横からMacがティッシュを差し出すという図は、Macが11万4000種類あるWindowsのウイルスに免疫があるということを示唆している。
ところがテレビのスクリーンから離れたところで、Appleの出している技術的なアドバイスは違うことを言っている。まったく違うことだ。最近更新された、Appleのウェブサイトの技術ノートを見て欲しい。
Appleは複数のアンチウィルスソフトの広範な利用を推奨している。これによって、ウイルスプログラマーは1つ以上のアプリケーションを迂回する必要が生じ、ウイルスの作成プロセスは困難なものになる。
(参照:How Snow Leopard can save Mac OS X from malware attacks)
このノートでは、続けていくつかの商用アンチウイルスソフトを挙げ(このうち2つが、Appleのオンラインストアで販売されている)、悪質なソフトウェアによる攻撃から本当に安全なオペレーティングシステムは存在しないという、正しいメッセージを発信している。
われわれは既に、未パッチのMac OS Xの脆弱性を悪用することが非常に容易であることを知っている。また、Adam O'Donnell氏やその他の人たちが理論化したとおり、AppleのOSがマルウェア作者の本当の標的になるかどうかは、単に市場シェアの問題だ。
増えつつあるユーザーに対し、明らかな現実への備えを促していることについては、Appleを賞賛したい。哀れむべきは、誤ったメッセージに投じられたマーケティング費用だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ