MicrosoftのInternet Information Services(IIS)のFTPサービスが持つ重大な脆弱性に対する攻撃コードが発表されてから1週間も経たたないうちに、Windowsユーザーに対する攻撃が始まった。
アドバイザリでは影響範囲は「限定的」だと説明されているこの攻撃は、IIS 5.0、5.1、6.0を使っている企業を標的としたものだ。Microsoftは同社のセキュリティアドバイザリを更新し、この新たな攻撃と、Windows XP、Windows Server 2003、Windows Vista、Windows Server 2008を標的とした概念実証コードが新たに公開されたことについて警告している。
(参照:Microsoft confirms IIS zero-day flaw; Exploit code published)
MSRCブログには、次のように書かれている。
さらに、File Transfer Protocol(FTP)サービスへの読み取りアクセスを許可しているWindows XPおよびWindows Server 2003へのサービス妨害(DoS)攻撃を可能にする、新たな概念実証コードが公開されている。これは書き込みアクセス権を必要としない。また、本日の午後、Windows VistaおよびWindows Server 2008に同梱されているFTP 6のバージョンに対し影響のある、DoSを可能にする新たな概念実証コードが公開された。顧客はダウンロードセンターでWindows VistaおよびWindows Server 2008用のFTP 7.5が提供されていることに注意して欲しい。FTP 7.5はこれらの攻撃コードへの脆弱性は持っていない。
Microsoftは米国時間9月1日に、この脆弱性の深刻さを認めるアドバイザリを公開した。この脆弱性は、FTPサービスを動かしており、インターネットに接続している影響を受けるシステムでリモートからのコードの実行を可能にするものだ。
(参照:Patch Tuesday heads-up: Five 'critical' bulletins on tap)
この脆弱性は、「Kingcope」という名前のハッカーによって公開されたゼロデイ脆弱性で、名前の長い、特別に作成されたディレクトリ名をFTPサービスで表示しようとする際に、スタックオーバーフローが生じるというものだ。この脆弱性は、FTPサーバーが、信頼できないユーザーに対し、ログインと名前の長い特別に作成されたディレクトリを作成するアクセス権を与えている場合にのみ問題となる。攻撃者がこの脆弱性を悪用することができれば、FTPサービスが実行されるLocalSystemのコンテキストでコードを実行することが可能になる。
MicrosoftはIIS 5.0(Windows 2000)、IIS 5.1(Windows XP)およびIIS 6.0(Windows Server 2003)に脆弱性のあるコードが存在することを認めている。IIS 7.0(Windows Vista、Windows Server 2008)には脆弱性はない。
パッチがまだ出ていない状態である現在、Microsoftは管理者に対し信頼できないユーザーにFTPサービスへの書き込みアクセスを与えないよう推奨している。アドバイザリでは、次の手順が説明されている。
- FTPサービスが不要な場合には、FTPサービスを無効にする。
- NTFSのアクセスコントロールリストを使って、新しいディレクトリの作成を禁止する。
- 匿名ユーザーがIISサービスを通じて書き込みを行うことを禁止する。
Microsoftは次回の月例パッチで、Windowsに影響のある、任意のコードが実行される可能性のあるセキュリティホールを修正する5件の「緊急」のセキュリティ情報を公開する予定だ。IISのFTPに存在する脆弱性が今回のパッチ群に含まれているかどうかは明らかになっていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ