企業は環境問題にどう取り組むべきなのか。5月に企業の環境問題対策についてのレポートを発表したForrester ResearchのChristopher Mines氏は、新たに「環境にやさしいIT(Green IT)の実行計画作成にあたって」というレポートを発表した。
Mines氏は、「企業のCIOは、ITの運用において環境問題を考慮しなくてはならないと自覚しているものの、実際に何をすればいいのか把握できていない。まずは実行計画をうまく作り上げることから始めるべきだ」と述べている。
実行計画の作成には4つのステップがあるとMines氏は言う。まず、1.Green ITを実現するための目的は何か、そしてその目的別に優先順位をつけること、2.優先度の高い目的に対する現在の状況を見極めること、3.すぐに実行できることから始めること、4.実行計画を作成し、通達することだ。
Mines氏によると、多くの企業でGreen ITを実現する目的として挙げられているのは、消費電力の削減や、ITリソースの利用率を改善すること、企業の社会的責任(CSR)を果たすことなどだ。また、特に米国では環境問題に積極的に取り組む企業に対し、税金などで優遇処置を設けているケースも多く、節税のためにGreen ITに取り組んでいる企業もある。
現状を見極めるにあたっては、企業内でITの役割が何なのかを明確にすることや、購買や仕入れ先の基準について、文書化することも役に立つ。また、Green ITを実現するためのサービスを提供する事業者も多く、こうしたサービスを利用してGreen ITのROI(投資回収率)を試算するのもひとつの方法だとしている。
現状を把握したところで実行に移るわけだが、ここで大規模な改革をするのではなく、「できるところから小さく始めるべきだ」とMines氏は言う。例えば、使っていない機器の電源を落とす、帰宅時にPCの電源を切る、コピー機などの節電機能を利用する、データセンターの空調を改善する、といったことなどだ。
実行計画がまとまったら、それを文書化し、社員にも理解してもらう。Green ITを推進していることをわかりやすく示すことはもちろん、常に新しいアイデアを募集することも大切だ。また、規律正しく標準的な改革手法に従って改善を進めるとうまく行くケースが多いことをMines氏は指摘している。
またMines氏は、実行計画で必要な点も挙げている。それは、プロセスや測定基準を見直すこと、既存のIT資産の効率性を高めること、アーキテクチャとインフラを改善すること、環境にやさしく事業が行えるようにITを位置づけることだ。
Mines氏はさらに、今後の課題として、ITの運用以上にIT機器の製造過程で消費されるエネルギーの方が大きいことを指摘している。また、IT資産の再利用やリサイクルについてもより真剣に考えていかなくてはならないとしており、「メーカーもそろそろ製品サイクルの速さを競うのではなく、長持ちする製品であることをアピールする時期ではないか」としている。
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