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中小企業のアプリケーション展開:堅実性とライフサイクルコストを考える

文:Deb Shinder
翻訳校正:吉井美有
2006/12/19 10:00

 企業のIT担当者は、オペレーティングシステムやプロトコル、ネットワーク機器に関心を向けがちである。しかし結局のところ、エンドユーザーがその仕事を完了させるために使用するのは生産性向上アプリケーションなのだ。このため、こういったアプリケーションをエンドユーザーが使用できるようにする方法を、最も効率的で費用対効果の高いものとするための戦略を立てておくことが重要になる。そして、小規模企業にとって最善の解決方法は、その企業が成長しても最善であり続けるとは限らないのである。今回は、いくつかのアプリケーション配備方法を考察し、あなたの企業がその成長に合わせてアプリケーション配備を堅実かつ安価に行い続けるための戦略を構築する方法を考えてみたい。

アプリケーションをスタンドアロンで稼働させる

 ユーザーのもとにアプリケーションを配備する最もシンプルな方法は、各ユーザーのPCそれぞれにアプリケーションをインストールすることだ。この方法にはメリットもデメリットもある。この方法のメリットは、ネットワークがダウンしていても、あるいはそのコンピュータがネットワークに接続されていなくても、該当のアプリケーションを使用できるという点にある。例えば、ノートブックPCにワープロソフトをインストールしているユーザーは、ネットワークに接続することのできない飛行機や海辺といった場所でも、ドキュメントの作成や編集を行うことができる。また、アプリケーションのインストールファイルのコピーがハードディスクに格納されている場合には、ネットワークに接続することなく新機能をインストールすることもできる。

 しかし、スタンドアロンのアプリケーションをインストールし、保守していく方法は、他の配備方法よりも時間を要する。この点に関しては、アプリケーション配備ツールを活用することで一定程度の時間短縮を図ることも可能である。コンピュータがネットワークに接続されているときになら、Windowsグループポリシーのソフトウェアインストール機能やMicrosoft Systems Management Server(SMS)、あるいはサードパーティのソフトウェア管理ソリューション製品を利用することでアプリケーションの配布とインストールを行うことができる。そしてこれらのアプリケーションは、コンピュータがネットワークに接続されていなくても利用できるのだ。また、こういったツールを利用することで、アプリケーションのアップグレードや保守の集中管理を行うこともできる。

サーバベースのアプリケーションを利用する

 LAN上のサーバにアプリケーションをインストールし、ユーザーがネットワークを介してアクセスできるようにすることによって、そのアプリケーションとユーザーアクセスをより集中的に管理することができる。ただし、この方法の最も大きなデメリットとして、ネットワークに接続していなければ該当のアプリケーションを使用できない点がある。

 ユーザーが外出先や自宅で、あるいは顧客や協力会社に出かけた際にアプリケーションを使用したい場合には、自社のLANにリモート接続でアクセスする必要がある。しかし、リモート接続を可能にすることによって、LANはセキュリティ上の新たな脅威にさらされることになる。一方、アプリケーションをサーバ上で集中管理する方法をとることによって、ユーザー全員がアップグレードされたアプリケーションを使用し、適切なセキュリティパッチが適用されている状況を保証しやすくなる。

 アプリケーションをサーバにインストールしていたとしても、ユーザーのコンピュータ上にそのアプリケーションにアクセスするためのクライアントソフトウェアをインストールしておかなければならない場合もある。

ウェブベースのアプリケーションを利用する

 ウェブベースのアプリケーションは、サーバベースのアプリケーションの一形態である。この場合、ウェブブラウザがクライアントソフトウェアとして機能することになるため、ユーザーは、公共図書館や売店、インターネットカフェなどの公共スペースに置いてある、クライアントソフトウェアをインストールすることができないコンピュータも含め、ほぼどんなコンピュータからでも使用することが可能だ。さらに、互換性の問題を心配することなく、異なった複数のオペレーティングシステム(Windows、Linux、Mac OS X)が稼働しているコンピュータからアプリケーションにアクセスすることもできる。

 また、アプリケーションに同時にアクセスするユーザー数が多い場合には、複数のウェブサーバ上で複数のアプリケーションインスタンスを稼働させることによって、負荷を分散することもできる。

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筆者Debra Littlejohn Shinderについて

Windows Server SecurityのMicrosoft Most Valuable Professional(MVP)として、多数の書籍や技術文書などの執筆、編集作業に力を入れながら、テクノロジーコンサルタント、トレーナーとしても活動する。警察官、警察学校のインストラクターとして活躍した経験を持つ。専門はMicrosoft製品とセキュリティ。

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