VoIPコミュニティでは、最近「ooma」が話題になっている。同社の広告によると、このデバイスを使えば「自宅を電話局にする」ことができるようになるという。ポイントは、サービスではなくボックス型のデバイスを購入することだ。
顧客はoomaのハードウェアに対して料金を支払う--その価格は、メーカー希望小売価格では599ドルだが、ベータテストが終了して9月に発売される際には399ドルという新製品特別価格となる予定だ。これを支払った後は月額料金は発生せず、無料でVoIPサービスを利用できるようになる。
oomaはこのアイデアを考えついた最初の企業ではない。最初に考えついたのはPhoneGnomeだが、両社のサービスの間には大きな違いがある。PhoneGnomeを利用すると、他のPhoneGnomeユーザーへの通話が無料になる。しかし、固定電話や携帯電話に電話をかける場合には料金が発生するのだ。米国内では1分当たり2.1セントで、国際通話料金は国によって異なる。
それでも、電話料金を格段に安くすることができる。PhoneGnomeのボックスまたはソフトフォン用のソフトウェアを利用したアフガニスタンへの通話料金は1分間当たり2.1セントだ。VonageやLingoといった従来のVoIPサービスを利用してアフガニスタンに電話をかけると、料金は1分間当たり70セント前後になる。
これに対して、oomaを利用すると固定電話や携帯電話への通話も含め、米国内の通話が無制限で生涯無料だという。ただし、国際通話には別途料金が発生する。
通話料金が永久に無料?あまりにも話がうますぎるのではないだろうか。あなたもわたしと同様に、何か裏があるのではないかと怪しんでいるかもしれない。そこでわたしは、この「ボックスで提供されるVoIP」について入手可能な情報をもう少し詳しく調べてみた。なお、試用するための評価用デバイスは現在、oomaに提供を依頼中である。今回はとりあえずわかったことを報告したい。
ボックスがあるとどうなるのか
数百ドルの料金を一括で支払うと、未来の留守番電話のような、バックライトを備えたシンプルなキーパッドのついた銀色のデバイスを入手できる。これが「ooma Hub」で、ooma通話のベースステーションとなる。また、子機用として、これよりも小さいものの見た目はよく似ている「ooma Scout」いうデバイスも入手できる。
このデバイスは3者通話などの機能を備えているだけではなく、追加料金を支払ったり新たな機器を他に用意したりせず、そのままで1本の電話線で同時に2つの異なる通話を行えるようになるインスタントセカンドライン機能や、ボイスメールのメリットと留守番電話のメリットを組み合わせたブロードバンド留守番電話機能も有している。さらに、oomaのウェブサイトによると、この製品があれば、停電時やインターネット接続障害時でも、安定した911緊急電話サービスを確保できるという。
何か計略はあるのか?
「うまい話には必ず裏がある」ということは誰もが知っている。oomaのサービスではVoIPプロバイダーに月々料金を支払う必要はないものの、インターネット接続費用はもちろん支払う必要がある。そして、停電時やインターネット接続障害時にも安定した911緊急電話サービスを確保できるのは、固定電話回線を引き続き使用するからなのだ。
oomaの資料によると、将来的には固定電話回線がなくてもこのデバイスを利用できるようにするという。しかし、そういった道を選ぶと、魔法でも使われない限り、911緊急電話サービス機能を失うことになるのではないだろうか。
当面は、通常の電話サービスを維持することで、VoIP導入のコスト削減効果がいくらか打ち消されることになるかもしれない。これに対して、従来からあるVoIPプロバイダーの1つに19.99ドルから29.99ドルを支払えば、固定電話サービスを解約することができる。
しかし、oomaのサービスを利用するために固定電話回線を維持しなければならないのであれば、oomaのコストは他のVoIPプロバイダーの月額料金よりも簡単に高くなる(わたしの「基本」固定電話サービスは、税金や料金をすべて加算すると、追加サービスなしでも月額42ドルになる)。
他方、(セキュリティアラームシステムやファクスを利用するために、あるいは停電時に911緊急電話サービスを利用したいという理由で)いずれにしても固定電話回線は維持する必要があるのなら、2本目の線として従来のVoIPではなくoomaを使用すれば、長期的にはコストを削減できるはずだ。oomaボックスの代金399ドルは、2年もしないうちに元がとれるだろう。
筆者Debra Littlejohn Shinderについて
Windows Server SecurityのMicrosoft Most Valuable Professional(MVP)として、多数の書籍や技術文書などの執筆、編集作業に力を入れながら、テクノロジーコンサルタント、トレーナーとしても活動する。警察官、警察学校のインストラクターとして活躍した経験を持つ。専門はMicrosoft製品とセキュリティ。
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