そうしたことから、パケット方式にリアルタイム通信技術をどう親和させるか、限られた帯域に映像や音声データをどう圧縮して送受信するか、また、ネットワークアドレス変換(NAT)、ファイアウォール、セキュリティなどネット上のさまざまな仕組みにどう対応させるか、などの観点から今まで技術開発が行われ、その結果それらに呼応した機能が実装されたり、性能の改善などが行われたりしてきた。
たとえば、パケットロスによる映像や音声の乱れはIPテレビ会議システム技術開発者の長年の“悩み”であった。今まではネットワークの帯域を増速することや帯域管理の仕組みをネットワークに入れたり、あるいはQoS補正技術を端末に実装したりするなどでパケットロスなどに対応してきたが、それだけでは現実的に難しい面もあったため、ネットワークの不確実性により柔軟に対応できる技術として「H.264/SVC(H.264. annex G)」がITU-Tで2007年11月に標準化されている。H.264/SVCは、現行のH.264/AVCを強化したバージョンといえる。
さらに、ネットとの親和性以外にも、ISDNや携帯テレビ電話などの異なったネットワークとの相互の接続の必要性も出てきた。そうなると、それらの相互接続に対応するためのゲートウェイ技術も提供されるようになった。その上、端末が増え、さまざまなネットワークが相互につながるようになりネットワーク自体の規模が大きくなるにつれて、たとえば、ゲートキーパーや運用管理システムなど、そのネットワークを効率的に管理する方法も必要になった。
そういった相互接続性は、ネットワークにおける“規模の経済性”の原理で動いている面がある。通信における規模の経済性は、ネットワークに接続される端末が増えれば増えるほど、ネットワークコストは減っていくという考えだが、異なったネットワークが混在している中でそれらを相互に継ぎ目なく接続していくことが、それを使うユーザーにとっても、またその全体のネットワークソリューションを提供する側にしてもメリットがあるということだ。
身近な例でいくと、国内と海外の電話は当たり前に通話ができるが、これは本来的には当たり前なことではなく、実は規模の経済性と相互接続性という考えもそこにはあったから可能となった。
逆の例で言えば、アメリカで通信事業者ごとにISDN回線のインターフェースが違うということが起こったため「ISDNアイランド現象」が発生し、全国統一のISDN普及の足かせになったという経緯がある。ユーザーにもデメリットが多かった。
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