• メールアドレス:
  • パスワード:

「4GHzの壁」に挑むIBM--「Power6」プロセッサ設計責任者に訊く

文:Stephen Shankland(CNET News.com)
編集校正:坂和敏(編集部)
2006/02/27 13:55

--Power5+では90ナノメートルの製造プロセスを採用していたのに対し、Power6ではより進んだ65ナノメートルの製造プロセスを採用しています(1ナノメートルは10億分の1メートルであり、回路を小さくすることによって、チップをより小さく、より安価に製造することができる)。65ナノメートルプロセスでの結果はどうですか。

 65ナノメートルプロセスの結果にはとても満足しています。動作周波数を見れば判るように、素晴らしいものになってきています。ある論文で、最大動作周波数が5.1GHzに達したという結果も提示しました。65ナノメートルは、90ナノメートルの2倍強のパフォーマンスを達成するほど優れています。

--製品版Power6チップの動作周波数はどれぐらいになるのでしょうか。

 まだ決定する段階にいたっていません。実際に出荷するものの動作周波数は、このチップを搭載するシステム環境に応じて決定することになります。チップ環境は、システム開発の先をいく必要があります。そういったシステム環境では、消費電力や発熱量の点でそれぞれ異なった制約が課されることになります。こういったことを考慮した上で、最終的な動作周波数を決定することが可能になるのです。最終的な動作周波数は4GHzから5GHzの間になると公表しています。

--そのようなスピードをどうやって実現するのでしょうか。

 それこそ、Brian Curran(ISSCCで発表したIBMの4GHzチップに関する論文の主著者)が明らかにしたことです。パイプラインのステージ数を維持するならば、各ステージの論理回路数を半分にする必要があります。われわれは結局、回路に2倍、3倍の仕事を処理させ、一連のトランジスタに複数の機能を割り当てなければなりませんでした。これによってラッチ間のゲート遅延を半分にできたものの、さらに回路に改良を加える必要がありました。

--新しいチップは2007年にリリースする予定だそうですが、それはIBMが当初言っていた時期よりも遅いのではありませんか。

 われわれは3年毎の周期を守ろうとしています。

--4GHzチップにおいて、データ待ちによる処理サイクルの浪費が増えないよう、Power6システムをバランスのとれたものにしようと努力しているところだと推測しているのですが。

 新しいチップに合わせてシステム規模の拡張を行いました。ISSCCでは発表しませんでしたが、われわれの次世代I/Oが重要な鍵の1つとなります。また、第3世代の「Elastic Interface(EI)バス」があるため、メモリと、プロセッサ間通信の規模も拡張しているところです。さらに、車輪の回転速度を上げるだけに終わらないよう、システムの構造全体の規模を拡大することにも注力しています。

--マルチコアプロセッサがブームになっています。IBMはデュアルコアのPower4でその市場をリードしましたが、Power6ではどうでしょうか。

 重要なのは、システムのスループットを維持することと、シングルコアのパフォーマンスを維持することとのバランスです。シングルコア、シングルスレッド、単一プロセッサのパフォーマンスに依存するアプリケーションはまだ数多く存在しています。すべてのアプリケーションがマルチコア(の利点を活かすため)に移植されているわけではありません。われわれは、単一プロセッサ用アプリケーションのシングルスレッド時におけるパフォーマンスと、SMP(複数のスレッドを用いた対称型マルチプロセッシング)時におけるパフォーマンスとのバランスを取ろうと努力しているところです。これは、われわれが動作周波数の引き上げを目指した理由の1つでもあります。

« 前へ 次へ »
キーショートカット:  b - 前のページ n - 次のページ
バックナンバー
この記事を読み解くキーワード:
プロセッサ
UNIXサーバ
ZDNet用語検索
キーワード
関連ホワイトペーパー
関連製品

注目記事

企画特集

DELL連載第4回〜「Microsoft System Center」DELL連載第4回〜「Microsoft System Center」
PowerEdgeサーバに最適な運用管理ソリューション後編
今知るべき仮想化情報今知るべき仮想化情報
インフラからアプリケーションまで、これを知らずに仮想化は語れない
ZDNet Japan Green ITZDNet Japan Green IT
洞爺湖サミット目前!環境に配慮したGreen ITとは?
「未来の、その先」をどう提言していくか「未来の、その先」をどう提言していくか
クラウドコンピューティングが導く新しいシステム
Techno ExchangeTechno Exchange
全体最適化で進めるCTCのグリーンIT戦略
ブログ RSS Feed
洞爺湖と環境と私
裏方の裏方日記〜日々是広報 2008/05/20 12:57
プロがなぜ、二次創作を願うのか--Gacktが歌い、三浦建太郎が描く「がくっぽいど」
ミュージシャンのGacktさんと漫画家の三浦建太郎さんという2人のプロが参加しながらも、ユーザーが自由に作品を公開できるという歌声合成ソフト「がくっぽいど」。この開発経緯を開発元に聞いた。
iPhone、月額通信料金は7280円からに--ソフトバンクモバイルが発表
UPDATE ソフトバンクモバイルはiPhoneの通信料金プランを発表した。月額980円のホワイトプランに、データ定額制プラン「パケット定額フル」、「S!ベーシックパック(i)」をあわせ、月額7280円からとなる。
ジョブズ氏引退後のアップルを考える
カリスマ的な創業者が社を去った後、会社の業績が低迷する事例は、ハイテクだけでなく、さまざまな業界で見られる。アップルは「ジョブズ氏後」に備えているのかどうか検討する。