トラフィック管理の「BIG-IP」、SSL-VPN機器の「FirePass」、WAN最適化機器の「WANJet」といった製品を持ち、日本でも通信、金融業界を中心とした多くのユーザーベースを抱えるF5ネットワークス。2006年4月には、日本法人の代表取締役として長崎忠雄氏を据え、「3年後には日本法人の売上を2.5倍にする」ことを目標に、積極的な事業拡大を進めている。
同社が掲げる「アプリケーション・デリバリ・ネットワーキング」(ADN)というコンセプトは、特にネットワーク上でのアプリケーション配信に着目し、セキュアかつ高速なネットワーキングを可能にするものという。この分野における同社の強みと、同社のマーケティング戦略について、F5 Networks Inc.のマーケティング担当シニアバイスプレジデントであるDan Matte氏に話を聞いた。
--「アプリケーション・デリバリ・ネットワーキング」(ADN)について、詳しく教えてください。
ADNとは、ネットワーク上でより良く、つまり高速かつセキュアにアプリケーションを配信可能にする技術、製品、サービスの総合的なソリューションです。これは、F5 Networksが1996年に設立されて以来、継続的に注力している分野になります。
この分野での一番最初の製品カテゴリは、ネットワークのロードバランシング(負荷分散)に関するものでしたが、その後数年で、SSLアクセラレータ、リモートアクセスといったさまざまな機能が、この分野の製品に追加されてきました。ガートナーではこの分野を「アプリケーションデリバリ市場」と定めています。アプリケーション配信に関する多くの機能を統合していくにあたって、ベストなプラットフォームを持つ企業がどこであるかを示したマジッククアドラントでは、2005年末時点でF5がリーダー企業として挙げられています。
また、この市場自体も非常に需要が高く、その中でわれわれも継続的な成長を続けています。前四半期のワールドワイドでの売上は9410万ドルにのぼり、財務的にも健全な状態が保たれています。また、社員数も約1000人を数えます。F5は、この分野でのエキスパートとして、アナリストや出版物などに加え、オラクルやマイクロソフトといったアプリケーションパートナー、世界中に1万社以上を数える顧客からも、高い評価を得ています。
--では、ADNの分野で、F5が高い評価を得ている理由は何だと考えますか。
大きな理由は2つあると思います。根本的な技術が優れている点と、アプリケーションベンダーとのパートナーシップです。
技術的な面でのF5の強みはTraffic Management OS(TMOS)と呼ばれる独自のOSであり、これによりアプリケーションデータをネットワークスピードで処理することができます。それが、他にはないアドバンテージです。
また、アプリケーションベンダーとの協業も重要なポイントです。極めて基本的なことですが、現状、ネットワークの管理担当者とアプリケーションの管理担当者というのは、連携をとっていない場合が多いのです。そうした状況においては、アプリケーションの開発者チームが新たなアプリケーションを開発し、ネットワークに乗せると、ネットワーク側で数々の問題が起こることになります。
従来であれば、ネットワーク担当者が帯域やセキュリティの問題が発生したネットワークに対して、F5の製品を購入して対応するというのが一般的でした。しかし現在では、アプリケーションを開発する側の人々も、F5の技術や製品に注目し、ネットワーク上で動作するアプリケーションをより良いものにしていこうとする動きが見られます。
われわれは従来からの顧客であるネットワークの関係者に加え、企業の経営者や上級幹部、さらには新しいカテゴリとしてアプリケーションアーキテクトの方々に対しても、F5の技術と製品に関する啓蒙を行っています。
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