家系図ブームがやってくる ヤア!ヤア!ヤア!

八木大造(クレオ)

2008-01-01 08:15

 そろそろ日本にも「家系図ブームがやってくる」。海外の現状は日本のそれと比べて異常な程の盛り上がりを見せている。異常と思えるのは単に世界を知らないだけなのか。

 米国を始め、イスラエル、ドイツを中心としたヨーロッパでは、家系図などルーツを探ることがホビーとして完全に定着している。米国の家系図検索サービス会社の調査によれば、米国人の成人の65%が家系図に対して大きな関心があり、そのうち45%は何かしらの方法で家系研究をしている。

 家系図のネットサービスも大変盛り上がっている。ユタ州プロボに本拠を置くThe Generations Network(TGN)が運営する家系図サイト「Ancestry.com」を老舗的な存在として、大手4〜5個の家系図サイトが存在する。

 ユタ州の友人によれば、興味深いことにネットの検索カテゴリーでファミリーツリー(家系図)関連とアダルト関連が常に一番人気を争っている。成長株のGeniなどは2007年ロンチ後たった5カ月で500万件の系図登録者(利用者数ではなく家系図のツリーに加えられた人の数)が集まったと発表した。

 2005年に設立したイスラエルのMyHeritageに至っては、なんと1億8000万人分の系図登録者(プロフィールと言っている)を持っている。ドイツではGeniのカーボンコピーが2007年8月に誕生しGeniを超えるスピードで急成長している。

 肝心のビジネスモデルであるが、老舗のAncestry.comを例にとれば、300万ページに上る英米の主要新聞の紙面データや、過去に出版された書籍資料のスキャンデータ、軍隊や移民記録などをフルに検索できるサービスが、年間189.95ドルで利用できる。これは日本の除籍簿からは分からないその人(ご先祖様)がどのような人物であったのかを知る手掛かりとなる。

 また系図登録者を検索できるサービスが年間49.95ドル。これは自分の先祖や親戚を探せる楽しみが魅力だ。また系図学を学ぶオンラインコースも29.95ドルで提供されている。広告を始めショッピングや、最近は医療関係(遺伝子治療等)のDNA分野ともリンクし始めている。

 日本においても、最近は雑誌などで「ルーツを探る」「家系図をつくる」などの特集が組まれている。私には、海外での盛り上がりと相まって日本における家系図ブームの前兆に思えてならない。

 系図を探求するシニア世代の知人によれば「家系図づくりは人間の本能」であると言う。お寺やお蔵の中に家系図が巻物になって眠っていたり、お墓参りなど先祖を敬う日本文化。日本でも海外と同じようにブームに火が付くのも時間の問題だろう。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]