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2008年はサービス化が新たなステージへ

2007年はサービス時代が幕を開け、ソフトウェアのみならずハードウェアのユーティリティ化も進んだ。そして2008年は、サービス化が次のステージへと進む。

徳田浩司(Fusion Reactor)  2008年1月1日 08時00分

データセンターの進化

 こうした流れから、企業は社内にサーバやストレージを置くことに次第にこだわらなくなってきた。たとえば、Amazon.comのような大きなデータセンターを持つ大手企業が、余剰ストレージを低価で外部に提供するサービスも増えている。米国に限らず日本においてもデータセンター事業が再び注目を集め、新しいビジネスの発表が相次いだ。このことは、物理的なデータセンターのロケーションが国内にある必要がなくなってきたことを意味し、インドや中国などにおけるオフショアの進展を促すことにつながった。

 また、新しいデータセンター事業は、単にサーバやストレージを提供するだけではなく、さまざまな付加価値のあるサービスで差別化を図ろうとしているのが特徴的だ。たとえば、VMwareなどの仮想化技術の導入により、エネルギー消費量を抑え、安価なデータセンターを構築するケースが出てきた。電力会社が省エネに対するインセンティブを与え、地球環境へ貢献できるようなプログラムを提供するようになったのだ。

SOAやエンタープライズ2.0技術の進歩

 また、これらを支える技術として、SOAの進歩の功績は見逃せない。エンタープライズ2.0やWeb 2.0というキーワードが普及したが、これはSOX法の要請によって、社内外のシステム統合が求められたことが非常に大きい。

 コストを理由に、1990年代のように大きなERPを導入して社内システムを入れ替えるよりも、既存のシステムを生かし、さらには顧客やパートナー企業のシステムとリンクさせ、SOAで統合していくニーズが高まってきた。また、Google Mapsなどウェブから得られるサービスをマッシュアップで統合し、新たなサービスを提供する動きも顕著になっている。私が暫定CFOを勤めるメッシュ型ネットワークのアンテナユニットを開発するSkipper Wirelessでも、アンテナユニットの位置情報などを提供する管理ツールとしてGoogle Mapsを利用し、さらにはオープンソースの管理ソフトを利用することで、劇的に開発コストを低減することが可能となった。

寡占化時代のGoogle対策を

 従来のインテグレーションの世界では、企業ニーズに個別対応するため、ソフトウェアベンダーの数も多かった。ところがサービス時代では、こうしたソフトウェアベンダーは存続の危機にさらされてしまうのである。ASPやSaaSモデルが浸透し、顧客を増やすに従って、ソリューションを提供できる企業の数は次第に絞られてしまうからである。

 これがさらに進むと、非常に恐ろしいことが起こる。その1つの例としてGoogleが挙げられる。Googleはウェブ上で強力な集客力を持ち、広告モデルが成立するため、利用者にさまざまなサービスを無料で提供できる。これまでさまざまなパッケージソフトベンダーやインテグレーターが有料で提供していたソリューションを、広告モデル会社が無料サービスとして提供し始めるとどうなるだろうか。高いシェアとユーザーを持つ強力なツールベンダー以外は、一気に吹き飛んでしまう可能性が高い。

 実際、Googleが無料でサービスを提供してしまうと、よほど特徴的な機能やサービスを提供しない限り、有料ビジネスを継続することは難しい。そのため、今後有料サービスを提供する企業は、高度なコンサルティング能力などで高い品質が要求されるようになってくるだろう。ITベンダーは、自分が提供するソリューションと同じものを、いつの日かGoogleが無料サービスとして始めてしまうのではないかという恐怖心を常に持つべきだ。そして、その場合も生き残れるよう準備しておくことが非常に重要である。逆に、Googleなどの無料サービスを徹底的に使いこなしたマッシュアップにより、付加価値の高いサービスをほとんどコストゼロで作ってしまおう、というぐらいのしたたかさが必要だ。

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