後藤康成の戦略
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セキュリティと利便性はトレードオフ
フィードパスの場合、日常業務において外部からアクセスが必要な情報はメールとスケジュールが中心となります。フィードパスはクラウドからビジネスアプリケーションを提供するSaaSプロバイダーです。よって僕らが提供しているサービスであるfeedpath Mailやfeedpath Calendarを利用し情報共有を行っており、これらメールやスケジュールなどの情報はすべてクラウドに存在します。
これらのクラウドにある情報に対して、すべての従業員はインターネット接続環境があれば時間や場所を気にすることなく、ウェブブラウザからアクセス可能な状態となっています。またアクセスするデバイスについてもPCに限定せず、携帯電話やiPhoneなどのモバイルデバイスからもアクセス可能です。さらに、ウェブブラウザからのアクセスのためにアクセスデバイスには保存されないというセキュリティ上の大きなメリットがあります。
もちろん、特定の人のみにアクセスを許可する機密性の高い情報は、物理的にも、ネットワーク的にも高いセキュリティで保護された領域に集約されています(この情報自体が機密性の高い情報のため抽象的な表現となってしまいますが)。しかし、このような機密性の高い情報は、日常的に外部からアクセスが必要になることは滅多にありません。どうしても機密性の高い情報に対してアクセスが必要な場合は、出社してもらいオフィス内からアクセスしてもらうことにしています。
機密性(セキュリティ)と利便性はトレードオフの関係にあり、すべての情報を機密性の高い領域(セキュリティエリア)におくことで利便性が失われ、さらには生産性も失われることになりかねません。これらのバランスを取るためには、アクセスする情報に対して重要度を与え、重要度の高くない情報に対しては適切な利便性を与えてやることだと考えています。
後藤康成(フィードパス株式会社 取締役 CTO)
シリコンバレー・ベンチャーを経て2000年ネットエイジ入社。ネットビジネスのインキュベーション案件およびテクノロジー投資案件などを担当。技術開発担当取締役、ngi group執行役CTOを歴任。
2005年クラウドにビジネスアプリケーションを提供するフィードパスを設立する。Zimbraの日本市場展開、feedpath Calendarなどを担当。
著書に「Web2.0 BOOK」(インプレス、共著)など。自身のブログはBlogot、Twitterアカウントは feedpath。
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こちらでは、読者から寄せられた意見をピックアップして紹介します。
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新井悠さんの意見の中で、リモート環境での仕事が実現できたことにより、産休の奥様が「その時間だけは企業人としての顔を失わずに済んだ」という事例は、「なるほど」と思いました。
リモートオフィス系の話題だと、パンデミックの話題や、正社員の業務裁量に効果があるというトピックスも多いと思います。もちろんそれらも重要ですが、リモートオフィスは毎日9時-18時に勤務できる人が、場所を選ばす作業するための投資というより、何らかの事情があり、通常の勤務がとりにくい優秀な人材を業務に活用できるようになる、というのが企業にとって、そして社会にとって何よりのメリットなのかもしれません。
正直、リモートオフィスの環境構築や、他の方も指摘されている実際の運用ルール等の構築は簡単なことではありません。しかしながら、結果的にそれらのルールを構築することが、多様な人材を継続的に確保できるという企業競争力につながるのかもしれません。
弊社でも、事情により週3日自宅作業をしているスタッフがおります。一般の企業では難しい勤務体系だと思いますが、だからこそ、スタッフの満足度は高いですし、また、ほかの企業がアクセスできない優秀な人材を業務に利用できるという点で、リモートオフィスは我々のビジネスを支える重要なテーマだと思います。 -
基本的にはアクセスしたくありません。
昨今の情報統制の流れは、会社情報を自宅PCで編集処理保持することを禁止する流れにあります。自宅PCで作業をした結果、情報が流出したら目も当てられません。
P2Vを使用しない、怪しいURLにアクセスしない、ウィルス対策ソフトを最新の状態にするなど、どのような対策をしていても何らかの脆弱性をつかれ流出しない保証はありません。
会社資産での、社内セキュリティ規定を順守している限り、情報流出となっても社員個人の責任にはなりません。しかし自宅作業では個人の責任になるというリスクがあります。
また、社外から必要な状況になる場合は、アクセス用の会社資産のモバイル端末とVPNアカウントが支給されます。
もし社外からのアクセスが必要なのであれば、会社の情報システム部門がアクセス規定を作成し、アクセス方法を準備し一定水準を守れる環境を会社が提供すべきだと思います。
会社が提供しないのであれば、社員は社外からアクセスする必要はないと思います。必要なのであれば、もし業務として命じられたのであれば書面で命令書を受け取ったうえで行わなければ今の世の中どのようなリスクをもつことになるのやら・・・。 -
緊急のトラブル対応など必要性はあります。また、自宅で突然の思い付きをメモしたいこともあります。
現状は、専用端末(接続用USB)のみがアクセス可能ですが、
小生は持っていません。
思いつきは、会社の自分宛にメールをしておいたり
手帳へのメモで対応しています。
トラブルの時は、あきらめて出勤します。(涙)
各分野の賢人と、読者の意見が集う6つのテーマ一覧をぜひご覧ください。