後藤康成の戦略
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必要な情報はクラウドに配置
SaaS活用でいつでもどこでもファイル交換
第1回の問いかけである「社外から社内の情報にアクセスしたいことはありませんか?」の回答「セキュリティと利便性はトレードオフ」の通り、フィードパスでは日常的な業務で必要とする情報はすべてクラウドにあります。このクラウドにある情報に対して、すべての従業員はインターネット接続環境があれば時間や場所を気にすることなく、ウェブブラウザから特定の情報に対してアクセス可能な状態となっています。またアクセスするデバイスについてもPCに限定せず、携帯電話やiPhoneなどのモバイルデバイスからアクセス可能です。
具体的にはデータの受け渡しは、「サイボウズOffice or SaaS」のファイル管理機能を利用しています。この機能はファイルを格納するフォルダに対してアクセス権を設定することが可能となっており、必要な人にだけ情報アクセスを許可することも可能です。これらの情報ファイルはウェブブラウザからアップロード/ダウンロードします。通信経路は当然ながらSSLで保護されているためにセキュリティの心配もありません。
特定の人にのみファイルを送る場合、「feedpath Mail」のブリーフケース機能による情報の受け渡しも効果的です。全社的に「feedpath Mail」を導入している場合となりますが、クラウド上にある「feedpath Mail」の自分のフォルダに対してアクセス権を与えます。アクセス権を与えられたユーザーは「feedpath Mail」の自分のブリーフケースからアクセス権の与えられたフォルダのファイルに対してアクセス可能となります。このようにフィードパスではセキュリティを担保した上で、通信コストの安いインターネットを最大限に利用したデータの受け渡しを行っています。
セキュリティレベルの高い企業、例えば金融系や証券系などではインターネット普及以前から利用してきたナローバンドのWAN回線を利用しているケースもあるでしょう。WAN回線を利用し各拠点間ネットワークを構築している企業においては、Windows 7、Windows Server 2008 R2で動作するOSセントリックなテクノロジーであるBranchCacheを利用することで、拠点間データ通信のパフィーマンスを最大限に引き出すことが実現できるでしょう。
後藤康成(フィードパス株式会社 取締役 CTO)
シリコンバレー・ベンチャーを経て2000年ネットエイジ入社。ネットビジネスのインキュベーション案件およびテクノロジー投資案件などを担当。技術開発担当取締役、ngi group執行役CTOを歴任。
2005年クラウドにビジネスアプリケーションを提供するフィードパスを設立する。Zimbraの日本市場展開、feedpath Calendarなどを担当。
著書に「Web2.0 BOOK」(インプレス、共著)など。自身のブログはBlogot、Twitterアカウントは feedpath。
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