後藤康成の戦略
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モバイルワークとセキュリティの両立を目指す
50名以下のベンチャーの社内システム(イントラネット)をWindows Server 2008 R2で、クライアントをWindows 7で構成することを前提に考えてみました。
仮想化技術の活用でコスト低減
まず最初に考えられるのは仮想化技術のHyper-V 2.0を最大限に利用し、イントラネットの構築を行います。イントラネットにはActive Directory、ファイルサーバ、メールサーバ(Exchange Server)などのサーバ群が存在しますが、高性能なサーバハードウェアにWindows Server 2008 R2をインストールし、Hyper-V 2.0で仮想化を実現します。
Hyper-V 2.0を利用することで物理サーバを増やすこと無く、仮想マシンを用いて、これまで複数台で運用しているサーバノードを1台に抑えます。これにより、データセンターコスト、監視コスト、管理コストが劇的に低減するでしょう。
Windows 7に搭載されるDirectAccess機能を利用しVPN環境を構築します。すべてのスタッフに、DirectAccessによる接続で、家でも出先でも、そしてオフィスでも、セキュアでユビキタスなコンピューティング環境を提供します。
モバイルワークとセキュリティの両立を目指す
しかし、オフィス以外のワークスペースでユビキタスコンピューティングを提供することになるため、ノートPCの盗難や紛失等に備えなければいけません。
その対策としては、Windows 7に標準搭載されたBitLockerでディスク暗号化を図ります。BitLockerを利用することで、データが格納されているドライブ全体を暗号化できるので、すべてのデータを保護できると考えています。さらに、USBメモリなどのリムーバブルドライブについてはWindows 7 の新機能「BitLocker To Go」を利用し、暗号化することで情報漏洩を防ぎます。
Windows Server 2008 R2とWindows 7の組み合わせにより、アプリケーションの追加を必要とせず、サーバ運用コストの低減とセキュアでユビキタスなコンピューティング環境が実現されることになります。
後藤康成(フィードパス株式会社 取締役 CTO)
シリコンバレー・ベンチャーを経て2000年ネットエイジ入社。ネットビジネスのインキュベーション案件およびテクノロジー投資案件などを担当。技術開発担当取締役、ngi group執行役CTOを歴任。
2005年クラウドにビジネスアプリケーションを提供するフィードパスを設立する。Zimbraの日本市場展開、feedpath Calendarなどを担当。
著書に「Web2.0 BOOK」(インプレス、共著)など。自身のブログはBlogot、Twitterアカウントは feedpath。
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こちらでは、読者から寄せられた意見をピックアップして紹介します。
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Windows 7とWindows Server 2008 R2での組み合わせによる機能はいろいろ提供されている。
Windows XPと比べたときのWindows 7メリット、Windows Server 2003と比べたときのWindows Server 2008 R2のメリットは語ることができるしお客様に提案ができる。
だが、Windows Server 2008 R2とWindows 7の連携という観点からでは、語る言葉が見あたらない。その2つが連携することによって実現できることは、SIer企業として提供している既存製品でまかなうことができるので、その2製品を連携させる事のメリットで同時に2つを提案するっという姿は現実的ではないと私は思う。
Windows7はWindows7のメリットで、Windows Server2008R2はWindows Server2008R2のメリットで提案を行う。両者の連携によって生まれるメリットは付加価値的、付録的存在としか見えてこない。
各分野の賢人と、読者の意見が集う6つのテーマ一覧をぜひご覧ください。