海上忍の戦略
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中小・SOHOの強い味方「Foundation」の活用を
標記のお題をいただき、腕を組みながらしばし黙考――いったい“何を”?答えをひとつに絞ろうとしましたが、腑に落ちません。それもそのはず、答えはひとつとかぎりませんからね。
私の仕事場は、自分と臨時のアシスタント1人という小所帯ではありますが、Windows 7とWindows Server 2008 R2の導入で実現できることを考えてみました。
中小・SOHOの強い味方「Foundation」に期待
まずひとつは「イニシャルコストの削減」。Windows Server 2008 R2では、中小企業やSOHOをターゲットとしたエディションとして「Foundation」が正式採用されました。Windows Serverファミリーのローエンドに位置付けられ、Active Directoryやリモートアクセス、IISなどなど、機能的にはStandardと同等です。
それが、メーカー直販サイトではサーバマシン込み10万円以下で販売されているのですから。ユーザー数15名以下の環境に限定されますが、CAL不要という点も魅力です。Hyper-Vによる仮想化には対応しませんが、割り切れる内容だと思います。
大規模環境ではMDOP 2010の活用を
もうひとつが「仮想化環境の64ビット化」。先月リリースされたMicrosoft Desktop Optimization Pack(MDOP)の最新版「MDOP 2010」では、仮想デスクトップ管理ツール「Microsoft Enterprise Desktop Virtualization」(MED-V)がWindows 7対応となりました。アプリケーションを仮想化して配信する「Application Virtualization」(App-V)もバージョン4.6へと更新され、64ビットアプリケーションがサポートされています。いよいよ、64ビット版Windows 7をクライアントとしてApp-Vを利用できるわけですね。私の小さな仕事場とは関係ない、ソフトウェアアシュランス(SA)契約を交わす規模での話ですが、興味深いところです。
そしてもうひとつは「セキュリティ強化」でしょうか。Windows Server 2008 R2の新機能「AppLocker」を使い、アプリケーションを事細かに制御することで、不測の事態を未然に防ごうというわけです。これで、私がWindowsで作業するとき最大のセキュリティホールとなる「フリーセル」を、きれいに止めることができればいいのですが。
海上忍(フリーランス ITジャーナリスト)
おもにUNIX系OSを対象として機能解説やレビュー、コラムなどを執筆。近年はbuilder by ZDNet JapanやSoftware Re:Sourceなど、ウェブメディアを中心に活動を展開。
著書は「Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊)など30冊以上。マイクロソフト社製品との付き合いはN-BASICにはじまり、MS-DOSやWindows NTなどのOS、ExcelやWordといったアプリケーションソフトまで広範囲に及ぶ。
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最大の利点はActive Directoryとグループポリシーの制御にある
Windows 7やWindows Server 2008 R2には多くの新機能が含まれる。従来のWindowsでは動作しないが、両者の組み合わせでのみ動作する機能も多い。しかし、こうした新機能に目を奪われては本質を見...(続きを読む)
こちらでは、読者から寄せられた意見をピックアップして紹介します。
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Windows 7とWindows Server 2008 R2での組み合わせによる機能はいろいろ提供されている。
Windows XPと比べたときのWindows 7メリット、Windows Server 2003と比べたときのWindows Server 2008 R2のメリットは語ることができるしお客様に提案ができる。
だが、Windows Server 2008 R2とWindows 7の連携という観点からでは、語る言葉が見あたらない。その2つが連携することによって実現できることは、SIer企業として提供している既存製品でまかなうことができるので、その2製品を連携させる事のメリットで同時に2つを提案するっという姿は現実的ではないと私は思う。
Windows7はWindows7のメリットで、Windows Server2008R2はWindows Server2008R2のメリットで提案を行う。両者の連携によって生まれるメリットは付加価値的、付録的存在としか見えてこない。
各分野の賢人と、読者の意見が集う6つのテーマ一覧をぜひご覧ください。