2021年に向けたIT企業のトップメッセージや年頭所感を紹介する。
さくらインターネット 代表取締役社長 田中邦裕氏
明けましておめでとうございます。
2020年は新型コロナウイルス感染症の流行により、今までの当たり前が大きく変化する年になりました。まさにVUCA(Volatility〈変動性〉、Uncertainty〈不確実性〉、Complexity〈複雑性〉、Ambiguity〈曖昧性〉、ブーカ)の時代です。
過去、安定が重視された変化が少ない時代においては、新たな物事に挑戦し変化することのできた人が、その希少性から成功のチャンスを得ることができました。しかし、VUCAの時代においては、変化は否応なく全ての人に求められ、変化できなければ損をする時代となるでしょう。
われわれはこの不確実な社会で、バランスを取りながら柔軟に対応し、変化し続けていくことが求められています。
VUCAの時代に安定した生活を得ようとすることは、とても難しいことです。企業は変化に対応できる組織作りやサービスの提供を行っていく必要があります。効率化や最適化を進め、秩序を持たせ安定させることは、安心でき管理も楽ですが、固定化されやすく変化に弱い状態となります。
そのため企業は自社の良さを生かしながらも、固定化せずに新たなビジネスを創造し、チャレンジし続ける必要があります。創造のために必要な変化は「変動性が高く予測が難しい時代と社会のニーズに応え続けるために、価値創造を生むもの」でなくてはなりません。
新型コロナウイルス感染症の流行に限らず、これからもVUCAの時代は続くでしょう。ただし、悲観的なことばかりではありません。感染症の流行によって否応なく変化を求められた社会は、密集の回避・非接触をキーワードに業界に関わらずDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させ、次々と新たな価値創造が行われています。この変化は、われわれの日常生活がより便利なものとなるチャンスです。
当社のサービスでもあるインターネットインフラはDXを実現させるために重要な役割を担っています。DXを実現しようと挑戦する人々を支えるための環境を提供する義務が、われわれをはじめとしたクラウド事業者にはあります。
当社は、お客さまのDXの実現を支えるだけにとどまらず、お客さまの新たな価値創造を加速させるため、現状のサービスに満足することなく新たな価値を創造し、変化を遂げてまいります。
当社は、インターネット黎明期より長年培ってきた研究開発力や自社で積み重ねてきた運用・保守の経験、それにより実現した柔軟性の高いデータセンターを生かし、インフラサービスを提供する企業としてDXの進む社会を支え、成長し続ける所存です。
2021年も当社は「『やりたいこと』を『できる』に変える」の理念のもと、お客さまおよび従業員の満足度を高めることを第一に、皆さまのニーズに沿った新たな価値創造に努めます。
2021年もさくらインターネットをよろしくお願いいたします。