パナソニックホールディングス(パナソニックHD)は、人工知能(AI)の開発、運用、利用や活用において順守すべき「パナソニックグループのAI倫理原則」を策定した。同社が8月29日に発表した。
同社はこの原則で、1.「『より良いくらしとより良い社会』を実現すること」、2.「安全のための設計、開発、検証を行うこと」、3.「人権と公平性を尊重すること」、4.「透明性と説明責任を重視すること」、5.「お客様のプライバシーを保護すること」の5つを規定している。
具体的には、AI製品やサービスが顧客や社会、環境に与える影響を事前に考慮した上で、「顧客の生活や社会、環境がより良くなる見込みがある場合に製品やサービスを提供する」ことや、製品を提供するに当たり、「人々の多様性を尊重し、不公正な影響が生じないよう努める」などの内容を盛り込んだ。
パナソニックグループは、家電・住宅や自動車、企業間取引ソリューションなどの事業領域で、暮らしや社会の課題を解決する革新的な製品やサービスを提供するため、AIの研究や開発、運用に注力していると説明する。
同社は、近年に不適切なAIの利用による差別の助長やプライバシーの侵害、安全性への不安など、AI倫理上の課題が社会的に問題視されていることを鑑み、顧客に同社のAI製品やサービスを信頼して利用してもらうべく責任あるAIの活用を実践するため、グループ全体での順守すべきAI倫理原則を定めたという。
同社では、策定したAI倫理原則をグループ全体で実践するためにAI倫理委員会を設置し、開発現場でのAI倫理リスクチェックや、グループの全従業員を対象にしたAI倫理教育を推進していくとしている。