マイクロソフトは6月20日、会計管理や人事管理などの基幹業務を統合したERP製品「Microsoft Dynamics AX 4.0」を日本市場に向けて発表した。ISVやSIer、パートナーなどと連携し、同日より販売開始する。AXはすでに130以上の国や地域で販売を開始しており、顧客数も7500を超えている。
「Dynamicsを市場に広めたい」と、Darren Huston社長国内では2006年9月に「Microsoft Dynamics CRM」を発表しており、今回のAXでDynamicsを業務アプリケーションブランドとして幅広くアピールする。マイクロソフト 代表執行役社長のDarren Huston氏は、「マイクロソフトの課題は、われわれがこの分野で製品を提供しているということが市場に知れ渡っていないこと。しかし実際に製品を知ってもらうと、Dynamicsを選ぶ顧客は多い。まずはマイクロソフトがこうした製品を提供しているとユーザーに知ってもらわなくては」と話す。
Huston氏によると、AXはDynamicsの中で一番柔軟にカスタマイズできる製品だという。「ITシステムに業務を合わせるのではなく、ITが人や業務のニーズにフィットしていかなくてはならない」とHuston氏は述べ、容易にカスタマイズできるDynamicsがユーザーの業務やニーズに柔軟に対応できるとした。
柔軟なカスタマイズが可能なのは、Dynamicsが「SYS Layer」と呼ばれるカーネル部分のソースコードを公開していることにある。SYS Layerに変更を加えることはできないが、「コア部分を見ることでビジネスロジックが理解でき、その上でパートナーがソリューションを展開しやすくなる」と、Microsoft ディレクター Dynamics AX プロダクトマネージメントのJeff McKee氏は説明する。
「SAPなど従来のERPパッケージベンダーは、すべてをブラックボックス化しており、例えば買収などで複数の企業が合併してシステムを統合する必要がある場合、コア部分から作り直す必要がある。AXではSYS Layerを公開しているので、そこに合わせて外側のレイヤに手を加えるだけでいい」(McKee氏)
AXは「ユーザー数が50人〜500人規模の基幹システムに最適だ」とマイクロソフト 業務執行役員 マイクロソフトビジネスソリューションズ事業統括本部 本部長の宗像淳氏は話す。「中堅企業の基幹システムや、すでに基幹システムを導入済みの大企業で子会社や特定部門の業務アプリケーションとしての導入をねらう」(宗像氏)
日本では、国産のERPパッケージベンダーが数多く存在するのはもちろん、大規模なシステムではやはりSAPなどの製品が普及しているが、宗像氏は「他社製品をリプレースするというよりは、AXを補完的な位置づけとしたい」と話す。また、McKee氏は、AXが他のMicrosoft製品との親和性が高く、インターフェースもOfficeなど多くのユーザーが使い慣れている製品と似ているため「Microsoft製品をよく使っているユーザーで、新規にERP導入を考えている顧客や、新たに部署を立ち上げてERPを導入したい顧客などをターゲットとしたい」と述べている。
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