EMCジャパンは8月18日、文書保護/管理向けセキュリティ製品「EMC Documentum IRM(Information Rights Management)」に、SDK(ソフトウェア開発キット)を搭載するとともに、同製品を30日間無料で試用できるトライアルサイトを用意。今後の利用拡大に向けた施策を展開する方針を示した。
EMC Documentum IRMでは、これまでMicrosoft Office文書やAdobe PDFを対象にセキュリティ管理を行っていたが、新たにAutoCADやPro/ENGINEER、NX CADといったCAD環境、ワープロソフト「一太郎」やTiff Viewer、OpenOffice.orgなどの情報系アプリケーションを利用しているユーザーも、プラグインの追加によって情報管理ができるようになる。今後は、外部パートナーとの連携により、幅広いIT環境で柔軟でセキュアな情報共有が可能になるとしている。
EMCジャパン、CM&A事業本部アカウントマネージャの鷲崎達也氏
「官公庁などでは、一太郎を利用している場合も多く、さらに古い文書フォーマットが残っているケースも少なくない。SDKを提供することで、そうしたものまでを含めて管理ができるようになる点が、他社のDRM製品とは大きく異なる」(EMCジャパン、CM&A事業本部アカウントマネージャの鷲崎達也氏)という。
すでにパートナー企業からIRM Client Integration APIを利用して、AutoCADに「Rights」メニューを追加し、DWGファイルの保護を可能にするプラグインが提供されており、近日中に日本語対応が図られるという。さらに今後は、Microsoft Office SharePoint ServerやIBM Lotus Notes/Dominoとのシステム連携、Microsoft OutlookやBlackBerryなどとのメール連携などを計画しているという。
また、同社では、ISPを通じたSaaSモデルにより、ドキュメントコントロールサービスを提供する考えを明らかにした。2010年にもサービスを開始する予定であり、東京、名古屋、大阪の各地域において、パートナーとの連携を進めていく考えだ。
EMC Documentum IRMは、情報漏えいや不正アクセスを防ぐために、暗号化やユーザー認証、操作制限による確実な情報保護と、それを追跡できる監査証跡機能を搭載。ワークグループ内、部門間、またはパートナーやサプライヤー間など、ドキュメントの存在場所に関わらず、機密情報の制御、保護、操作履歴取得が可能になるほか、情報の表示、編集、印刷などの権限許可などの情報管理を行える。
万一、データが流出しても、第三者には閲覧できないなどといった文書保護/管理機能を持つ点も大きな特徴となっている。ファイル配布後も、権限付与および権限剥奪が、ファイルを差し替えことなく実行できるのも同製品のアピールポイントだ。
鷲崎氏は、昨今の情報漏洩の事例を紹介しながら、EMCの情報管理の姿勢を次のように語った。
「ほとんどの企業は、重要ファイルのダウンロードの禁止や持ち出し禁止といった対策をとっているが、それは、“正当な利用者は重要ファイルを持ち出さない”ことを前提とした対策だ。IDとパスワードが付与された形でファイルが流出した場合には、制御が不能になる。ある証券会社では、約148万人分の顧客情報を記録したCDが持ち出され、そのうち約4万9000人分の個人情報が名簿業者に売却された。2次被害として95社に転売され、さらに300社に広がっているという話もある。これはExcelシートの情報とともに、ID、パスワードも付与されており、もはや制御ができなくなっている。この証券会社では1人当たり1万円のギフト券を配布しており、これだけで約5億円の損害となっている。さらに取引停止といったことも起こっている。持ち出し禁止のための対策はもはや古く、持ち出された後にどう制御するかを考えるべきである。社内をどう管理するのかではなく、社内外を含めてどう管理するのかが重要であり、EMC Documentum IRMは、そうした観点からアプローチした製品である」(鷲崎氏)
一方、同社では、Documentum IRMを、30日間無料で試用できるトライアルサイトを用意。さらに、同サイトを通じて、社内外でのビジネス連携を可能にするウェブアプリケーション「Documentum eRoom」も同様に30日間無料で提供すると発表した。いずれも、利用可能人数は1ルーム当たり10人まで。トライアルの申し込みは、EMCジャパンサイト内の申し込みフォームから行える。
EMCジャパン、マーケティング本部プロダクト・マーケティング部マーケティング・マネージャの杉本奈緒子氏は、「依頼をいただければ、30日間を延長することは可能。インターネット経由で利用できるため、テスト用サーバの準備やインストールが不要という点でも、手軽に試用できる」とした。
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