EMC、VMWareやPivotalなどのグループ企業やパートナーとの連携を強化へ

山田竜司 (編集部)

2014-01-30 10:42

 EMCジャパンは1月29日、2014年の方針説明会を開催。代表取締役の山野修氏はEMCジャパン創立20年となる2014年のテーマを「新定義」と発表した。「クラウド」「ビッグデータ」、セキュリティやストレージを含む「トラスト」の3分野において、企業のビジネスパートナーとして、企業ITのあり方を新たに定義することが必要という。


代表取締役 山野修氏

 山野氏は2013年を振り返り、クラウド越しに自動管理を可能な“Software-Defined Storage”戦略の発表やクラウド型ハイエンドストレージ「VMAX CE」、フラッシュドライブを使ったディスクアレイ「XtremIO」などの製品投入のほか、EMCやVMware、GEなどが出資するPivotalの日本法人を設立したことを紹介した。「EMCは、サーバのビジネスを持たないが、サーバとストレージの売上高合計で13年7月から9月期は世界2位になった」(山野氏)とし、国内外問わず業績の好調ぶりをアピールした。

 山野氏は現在、企業のIT活用は、クラウド、ビッグデータ、モバイル、ソーシャルメディアの4つの軸からなる「第3のプラットフォーム」への移行が加速していると説明した。その例として、米EMCのVice Presidentが集まるイベントでの、作家Daniel H. Pink氏の談話を紹介した。Pink氏は「デジタルネイティブ世代は仕事でもソーシャルメディアを駆使しており、チャット機能により連絡やメッセージの返信は1分ほど、調べ物はスマートフォンで検索し30秒で済ます人もいる」と話し、これまでの仕事のスピードではビジネスに対応できなくなる可能性を示唆したという。

 「顧客も従来とは違うスピード感を期待する。エンタープライズアプリケーションはモバイル上で操作できるようになる」(山野氏)とし、アプリケーションを新たに定義する必要があると強調した。

 EMCはクライアント/サーバモデルによる“第2のプラットフォーム”から第3のプラットフォームへの橋渡しを担うという。同社は「クラウド化」を、オンプレミスとオフプレミスを組み合わせたハイブリッドクラウドの利用を促進すること、「ビックデータ分析」は大量データの分析とそれを実現するシステムや社内体制の要求することなどと新たに定義。関連会社であるVMwareやPivpotalと連携し、企業の第3のプラットフォームへの変革を支援し、自社の製品ポートフォリオもこれに併せて推進する。

 2014年の重点施策として、データセンター全体の制御が可能な“Software-Defined Datacenter”の推進やフラッシュで構成される製品のラインナップ拡大、データサイエンティスト育成プログラムの強化を挙げた。

 データサイエンティスト育成の取り組みでは昨年、200人以上がプログラムを受講。今年は300人以上の申込みを見込む。昨年よりエグゼクティブ層のための1日コースなども用意しており、経営と現場でビッグデータ活用の共通言語化推進に一役買っているという。

 同時にEMCグループ企業やパートナーとの連携によって「エコシステム」を強化する。サービスプロバイダーとともにハイブリッドクラウドを提案するほか、垂直統合型システム「Vblock」や「VSPEX」などの普及に注力するとした。

 山野氏は米EMCが3月から「Lotus F1 Team」のスポンサーとなり、F1チームでも次の試合のシュミレーションなどにビッグデータを活用していることに言及。ITの使われ方が変わり、市場もダイナミックに変革していると強調した。

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