ウェブ評論家に転身した元金融アナリストのHenry Blodget氏が、米国時間12月16日、「阻害」とは本当のところ何を意味するのかということと、Googleやその他のウェブベースのオフィススイートが今にもMicrosoftを大きく阻害しようとしている理由を説明する記事を投稿していた。
「Microsoftは否認:Googleの脅威は古典的な阻害である」と題する記事のなかで、Blodget氏は以下のように述べている:
「阻害的な技術は、既存の市場リーダーを一夜にして破壊することはない。また同時に市場全体が採用することもない。最初のうちは「より優れた」製品のようにみえない(実際に初期の段階では、たいがい明らかに「劣っている」)。最初のうちは主流のユーザーにとっては存続可能なオプションではない。機能テストをして接戦で勝つようなこともない。最初は脅威のように見えることさえないのだ」
「Google Apps」やその他のウェブベースのオフィススイートには、この条件が確かに当てはまる。
今年大々的に宣伝されていたにもかかわらず、消費者または企業のいずれについても、ウェブベースのオフィススイートに対する本格的な機運はまだ訪れていないと、 Microsoftの資金を得ていない独立系のリサーチャーたちは述べている。
市場ウォッチャーのNPDは、その600超のメンバーによる米国の顧客パネルのうちごくわずかが、ウェブベースのオフィス生産性スイートをデスクトップのオフィススイートの代替品として利用していることを示す新たな調査を公開した。NPDの調査結果は以下の通りである:
Compete.comの最新の推定ではGoogle Appsのユーザー数を150万としていたが、これは高めに見積もられており、利用数というよりは、Googleのサイトへのビジター数の指標に近いかもしれないと、NPDのアナリストであるChris Swenson氏は述べている。
「Googleのスプレッドシートの利用に費やされた平均時間を見てほしい。2分程度である」とSwenson氏はいう。「多くの人が、Googleの広告キャンペーンを見てGoogle Appsに導かれている。今やウェブ上では同社の広告があちこちでみられるため、こうしたトラフィックの多くも算定されていると考える。そのためGoogle Appsに費やされた平均時間が少なくなっているのだ」(Swenson氏)
Burton GroupのアナリストであるGuy Creese氏も、Google Appsの採用について同様の不安を明らかにしている。しかし企業側の観点からだ。
Googleの最高経営責任者(CEO)のEric Schmidts氏はかなり大げさに、この集団が今日のコンピューティグ作業の90%を5年内に処理するようになると宣伝しているが、Creese氏は16日に、この主張が過剰に楽観的であると、ブログで述べていた。Creese氏は、5年というよりは、30年がもっと現実的なターゲットであるという。
Blodget氏とCreese氏は、Microsoftのデスクトップ生産性分野における非顧客中心の行動の多くについて、正確に同社を告発している。企業ユーザー向けの「Office」が1コピーあたり500ドルの値札がついているというのは、常軌を逸しているとCreese氏は述べている。またBlodget氏は、Officeがごくわずかなユーザーしか使いたがらない、あるいは使用方法を知りたがらないような機能で膨れ上がっているとの良く聞かれる批判を繰り返した。
しかし、次が筆者とBlodget氏との意見が分かれる部分だ。Blodget氏は、MicrosoftがGoogleやその他のウェブベースのOffice集団からの潜在的脅威を「否認している」と主張している。
筆者としては、Microsoftが、ウェブベースの生産性ソフトウェアを望む今のところ少数のユーザーに対応しているやり方のほうが、阻害的なのである。ベンチャーキャピタリストたちや大物ブロガーたちは、MicrosoftがただちにクライアントベースのOffice開発をもはや中止して、Officeをウェブベースの製品に転じていないことを冷笑するが、こうした意見にMicrosoftは耳を傾けていない。
そのかわりにMicrosoftは、Officeには「Office Live Workspace」によりウェブコラボレーション的な要素を追加することによって、生産性スイートの利用者の大半が現在望んでいることを実践している。同時にMicrosoftは、「Notes」や「Lists」コンポーネントを通してOffice Live Workspaceのウェブベースの消費者オフィススイートにむけた種まきをしている。そのような製品に対する顧客の需要が十分に高まったときに、いちからMicrosoftがウェブベースのスイートを構築し始めるようなことはないだろう。
バブル的な市場に軽率に飛び込まないことは、否認していることと同義ではない。ときには、同業者からの圧力に抵抗することも、かなり阻害的となる場合があるのだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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