富士ゼロックスと野村総合研究所(NRI)は9月30日、富士ゼロックスのソリューションサービスビジネスに向けたプライベートクラウドシステム「mCanvas」を構築したと発表した。10月1日より運用を開始する。
富士ゼロックスでは、これまで、オフィスの生産性向上や業務プロセス改革を支援するソリューションサービスを提供するためのシステムや、カスタマイズが必要な様々な案件のシステムなど、それぞれのシステムに合わせて、個別のハードウェアやOSを使用したシステム基盤を構築し、異なる複数のデータセンターで運用していた。そのため、運用費用の削減や、ソリューションサービスビジネスをタイムリーに展開し、システムを効率的に稼動させていく上で、システム基盤の更なる柔軟性や拡張性の向上が課題だったという。
NRIはこれらの課題を解決するため、NRIのデータセンター内にある富士ゼロックス専用区画に富士ゼロックス専用システム共通基盤としてmCanvasを構築。また、富士ゼロックスからアウトソースを受けて、同システム共通基盤内のハードウェア、OS、ミドルウェアやネットワークと運用監視システムを提供し、システム共通基盤の設計、構築、運用を担当するとしている。
富士ゼロックスは、mCanvasを用いて異なる複数のデータセンターで稼動していた様々なシステムを1つのシステム共通基盤に集約することで、重複していたシステムの運用コストやシステム管理費、消費電力を削減できるという。同時に、ネットワークトラフィックも簡素化されるため、セキュリティ面でのさらなる安全性向上も可能としている。
また、事業規模の変化に合わせて柔軟にシステム規模を変更可能な拡張性の高いシステム基盤を確保できたという。これにより、今後想定されるソリューションサービスビジネスの拡大に向けたシステム開発やバージョンアップなどに伴うシステム変更にも、これまでよりも少ないコストで、柔軟に対応することが可能になったとしている。