Vistaについて広まっているFUD(Fear:恐れ、Uncertainty:不安、Doubt:疑念)で、あちこちで言われていることの中には、アップグレードによってアプリケーションにおけるあらゆる種類の互換性問題にさらされるというものがある。XP向けに開発されたプログラムの中にはVistaでは動作しないものもあり、中でもウイルス対策プログラムやシステムユーティリティのようにカーネルをフックするプログラムは動作しない可能性が高い。しかし、XPで動作するアプリケーションの大半はVistaでも動作するはずだ。
場合によっては、既存プログラムをVistaで正しく動作させるために「互換性」モード(互換性のオプションを選択するためには、プログラムファイルを右クリックし、[プロパティ]を選択し、[互換性]タブをクリックする)でインストールや実行を行う、そして/または管理者として実行する必要があるかもしれない。
互換性の問題のほとんどは、ユーザーが自分で解決策を探る必要のないものだ。Vistaに搭載されている「プログラム互換性アシスタント(PCA)」は、プログラムを実行するために設定変更が必要になるかどうかを診断したり、プログラムの正常な動作を妨げている可能性のあるUACとの競合を解決したりしてくれる。PCAは、互換性の問題を抱える既存のプログラムを検知するとこうした問題を自動的に解決してくれる。また、「コントロールパネル」の「プログラムと機能」セクション(初期設定の場合)から手動で実行できるツール「プログラム互換性ウィザード」を使用することもできる。
また、Vistaでは動作しない周辺機器、特にプリンタやスキャナについての報告も数多くなされている。Vistaのベータテスト期間中にVista用のドライバをなかなか提供しなかったハードウェアベンダーもたしかにある。しかし、Vistaの個人向け発売開始時点では、多くのハードウェアドライバがインストール用DVDに収録されていたし、今後数カ月の間にもさらに多くのドライバが提供されるはずだ。
わたしの持っているHP OfficeJet g55はVistaでも問題なく動作しているし、Vistaがサポートしているプリンタの一覧を調べてもらえば(「コントロールパネル」の「プリンタ」にある「プリンタの追加ウィザード」)、VistaがHPやIBM、Brother、Canon、Citizen、Dell、Epson、Fujitsu、Konica、Kyocera Mita、Lexmark、Minolta、NEC、Oki、Panasonic、Ricoh、Samsung、Sharp、Sony、Xeroxといった大手プリンタベンダーのさまざまな製品をサポートしていることがわかるだろう。
VistaのHomeエディションがサポートするのはシングルプロセッサのみだという仕様に関して、当初はちょっとした混乱があった。この仕様を、Homeエディションはデュアルコアマシン上では稼働しないという意味にとった人々もいたからである。
デュアルコアCPUには2個のプロセッサが搭載されてはいるが、その2個のプロセッサは1個のチップ、すなわちダイ上で結合されている。これはチップレベルのマルチプロセッシングと呼ばれるものであり、物理的に2個、すなわち別々のプロセッサを1台のマシンに搭載することとは異なっている。デュアルコアマシンの動作状況は、Windowsのパフォーマンス監視ツールでは2個のプロセッサのものとして別々に表示される(図Dでは、プロセッサごとの動作状況が別々のグラフとして表示されている)ものの、Microsoftによる「プロセッサ」の定義では、コアの数ではなく、物理的なCPUの数が用いられている(このポリシーは「マルチコアプロセッサのライセンス」で説明されている。関連する日本語情報としてはこちらを参照されたい)。

実際、Vistaのすべてのエディションはマルチプロセッサ搭載マシンで動作する--ただし、Home BasicエディションとHome Premiumエディションでは1個のプロセッサのみが認識され、使用されることになる。
Vistaのデジタル著作権管理(DRM)に関する恐ろしい噂話を聞いたことがあるだろうか?Vistaでは、オンラインでダウンロードと支払いを行った楽曲/映画ファイルしか再生することができないとほのめかす人々もいた。また、購入したメディアでさえ再生できないかもしれないと考えている人々もいた。
興味深いことに、こういった話を広めている人々は皆、いまだにVistaを使ったことがない(そして彼らの多くは自ら、今後もVistaを使うことはないだろうと述べている)ようにみえる。本当のところは--わたしは何の問題もなく、CDからリッピングした楽曲をWindows Media Player 10やVistaのWindows Media Centerアプリケーションで再生している。実際のところ、わたしは合法的にCDを所有しているとはいえ、Vistaがそれを知ることは不可能だ。また、XPのWindows Media Centerからインポートしたメディアも、録画したテレビ番組を含め、問題なく再生できている。
Vistaにおけるコンテンツ保護についてのより詳しい議論については、CreateDigitalMusic.comの記事を参考にしてほしい。
Vistaの各エディションの価格が発表になって以来、わたしはその価格の高さについて不平不満の声をたくさん耳にしている。Windows XPでは、小売店で販売されるバージョンは2つしかなかった。つまり、199ドル(アップグレード版は99ドル)のHome Editionと、299ドル(アップグレード版は199ドル)のProfessional Editionである。
VistaではXPよりも多くの選択肢が用意されている。
皆がUltimateの価格に着目しているが、XPの2つのエディションと直接比較できるエディション(Home BasicとBusiness)に目を向ければ、それらのエディションの価格は、5年前のXPのものと同じであるとわかるはずだ。
Home PremiumにはGlassインターフェースや、「WindowsムービーメーカーHD」「Windowsミーティングスペース」「Windowsモビリティセンター」といったアプリケーションやスケジュールバックアップ機能も標準で同梱されているのに加え、「Windows Media Center」や「Windows Tablet」テクノロジも搭載されている。
Ultimateには「BitLockerドライブ暗号化」や「リモートデスクトップ」、「Windows Complete PCバックアップと復元」といったビジネス向けの機能に加え、Windows Media CenterやWindows Tabletテクノロジも標準で装備されている。事実、UltimateにはHome Premiumのホームエンタテインメント機能すべてに加え、BusinessおよびEnterpriseの企業向け機能すべてが含まれている。そしてUltimateへのアップグレードコストは、XP Professionalへのそれと比較すると、より多くの機能が提供されているにもかかわらず59ドル高いだけなのだ。
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