カブドットコム証券は2月21日、同社の運用するアプリケーションサーバに、メモリデータベースシステム(メモリDB)を導入したと発表した。オンライン取引システムの高速化と負荷低減を図るもの。
「株式市場のさらなる活況が予想される中、今まで以上に安定した取引環境を提供する」(カブドットコム証券)
メモリDBは、記録媒体として半導体メモリを採用したデータベース。ハードディスク装置上で処理を行うデータベースと比べ、データの読み出しや書き込みの速度に優れる。
シアンス・アールが販売するメモリDB「Kairos」(韓国REALTIMETECH製)を、カブドットコムのオンラインシステムが稼動するアプリケーションサーバ全24台に導入。従来のデータベースと比べ、銘柄情報、時価情報などのデータ取得速度を約20倍に高速化し、負荷を25%程度低減したという。また、時価情報データベースサーバおよびアプリケーションサーバの増強コストを従来に比べて1億円程度削減した。これにより、2006年3月期第3四半期における1約定あたりのシステムコストは前年同期比20円減の116円になったとのことだ。
カブドットコムでは従来からメモリDBの導入を検討していたが、オンライン取引システムなどが使用する高度なデータアクセス方式に対応した製品がなかったという。
KairosはMicrosoftのデータアクセス方式「ActiveX Data Object」に対応するなど、カブドットコムのオンライン取引システムが必要とする機能を備える。さらにSQL言語のインタフェースを持ち、カブドットコム側のアプリケーションの書き換えが不要なことから導入を決めた。