ウルシステムズは2月9日、基幹業務システムのバッチを高速処理するためのソフトウェアフレームワーク「Asakusa Framework」を開発、オープンソース化して提供することを発表した。オープンソースソフトウェア(OSS)の分散並列処理フレームワークの「Hadoop」をベースにしている。
Asakusaは企業の基幹バッチシステムの高速処理を目的に開発、Hadoopに対応した業界初のソフトウェアという。Hadoop上に基幹バッチシステムに必要な開発環境や実行環境、運用環境を実装しており、従来長時間かかっていた業務処理を高速に、安価に、かつ安全に実行できるとしている。
Hadoopに詳しくない技術者でもAsakusa上で簡単にシステム開発できることから、分散技術によるメリットを広い分野で享受できると説明している。ウルシステムズによると、実案件での適用が進んでおり、Asakusaにより4時間かかっていたバッチ処理が数分で完了した実績もあるという。
Asakusaのベータ版をNTTデータやイーシー・ワン、インテック、NECなど限定パートナー向けに提供しており、すでに複数社で導入検討が進んでいるという。OSS化した正式版は3月からの提供を予定している。
Hadoopは大容量データを多数のサーバに分散して並列処理させることで高速なデータ処理を実現できるといわれている。だが、ウェブデータの分析や消費者の行動解析などBtoC分野での利用が多く、企業の基幹業務システムに適用するには機能や運用環境が不足しているとされている。