業績の不振が続くチップメーカーのTransmetaが、マイクロプロセッサ「Crusoe」に関連する資産の売却先、および130ナノメートル版「Efficeon」技術のライセンス先を獲得した。
香港Culturecom Holdings傘下のCulture.com Technology Limitedは、Transmetaが世に送り出した最初のマイクロプロセッサCrusoeに関する技術資産を購入し、同製品の後継品であるEfficeonを130ナノメートルプロセスで製造するライセンスを獲得した。
Transmetaは、一部の顧客向けに90ナノメートル版Efficeonの製造を継続するが、130ナノメートル版Efficeonの製造は2005年末までに中止し、Culture.comへと業務を移管する。
Culture.comは、CrusoeとEfficeonの両プロセッサを、中国市場向けの電子機器を製造する企業に販売することを考えている。その場合、プロセッサは、中国語のソフトウェアと組み合わされることになる。
今回の契約に基づき、Culture.comは、Transmetaに現金1500万ドルを支払う。この金額は、Transmetaが前四半期に計上した損失額より1000万ドル少ない金額である。契約の完了は、第4四半期を予定している。
この契約は、Transmetaをめぐる騒動に新たなエピソードを加えることになる。創業間もなくLinus Torvaldsを社員として迎えたTransmetaは、ノートPC用省電力型プロセッサを武器に、Intelに戦いを挑んだ。同社は2000年、ソニーや富士通など大手メーカーとの契約を獲得した。しかし、2001年、性能に対する評価の低さや製品化の遅れに直面する。
契約を失い、3人のCEOが次々に交代し、赤字額は膨れ上がった。1998年以降、1億3400万ドルの売上高に対して、同社の累積赤字は6億3500万ドルに達した。
しかし、Transmetaが初期段階において残した成功の影響は、今でも垣間見ることができる。Transmetaの影響を受け、Intelは、プロセッサ、チップセット、ネットワークインターフェースの3つのパーツで構成されるCentrinoを提供開始した。
Transmetaは、チップを販売する代わりに、知的財産のライセンす事業に今後は力を入れる予定だ。2005年初め、ソニーは、消費電力量の低減を図る目的でTransmeta技術の採用を決定した。用途は、PlayStation 3への組み込みだと見られている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ