AMDとNvidiaが、Intelから極めて重要なPC仕様の支配権を奪おうとしている。AMDらは、両社がより高速な周辺機器の新時代へ移行しようとするのをIntelが阻止しようとしていると主張している。
問題となっているのは、2009年に登場予定の次世代高速接続標準であるUSB 3.0だ。このUSB 3.0が重要なのは、将来開発されるすべてのPCや端末に同標準をベースにしたコネクタが使用されるからだけでなく、通信速度がおよそ5.0Gbpsと高速なためだ。この通信速度は、過去数年間に発売された事実上すべてのPCに使用されているUSB 2.0の10倍に当たる。
Intelのウェブサイトに掲載されているUSBの概説によると、Intelは「USB対応の周辺機器の導入をサポートし、加速するために」1995年にMicrosoftら同業他社とともにUSB Implementers Forumを設立したという。
この問題に詳しいAMDに近い情報筋によると、「問題は、Intelが(中略)CPUやチップセットで同社と競合する企業にUSB 3.0仕様を渡そうとしないことだ」という。
その結果、AMD、Nvidia、Via Technologiesなどの企業は、USB 3.0仕様を独自に開発せざるを得なくなる恐れがある。AMDに近い情報筋は、「われわれは、USB 3.0向けの新しいオープンなホストコントローラ標準を策定するために、(Intelの仕様と並んで発表されることになる)第2の仕様を開発せざるをえなくなる」と語る。
さらにその情報筋は、「われわれは直ちにその仕様の開発に着手する」と付け加えた。また、Nvidiaに近い情報筋によると、Intel版に代わる「オープンな」仕様の開発を目指すメンバーの初会合が今週開催される予定だという。「われわれは、この仕様を製品化するつもりだ」(同情報筋)
NvidiaとAMDから、この件に関する公式コメントはない。
一方、Intelは、計画を全速力で進めるとしている。
Intelは声明で次のように述べている。「前世代のUSBと同じように、USB 3.0を広く普及させるために、Intelは業界に完全な仕様をなるべく遅滞なく提供できるよう懸命に努力している」
USB 3.0仕様は、USB 3.0 Promoters Groupで練り上げられている。同グループには、Intelのほか、MicrosoftやHewlett-Packard、Texas Instruments、NEC、NXP Semiconductorsがメンバーとなっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ