インテルは6月23日、プレス向けの説明会にて、モバイル向け市場への取り組みについて語るとともに、6月上旬に台湾で開催されたComputexで同社が発表した「My WiFi テクノロジ」のデモを公開した。
インテル 代表取締役社長の吉田和正氏は、「インテルではモバイル市場が今後より成長すると見ている」と話す。それは、過去にはデスクトップの置き換えとして注目されていたノートPCが、特に画面サイズが7インチから13インチまでのノートPCにおいて、持ち運ぶことを中心に考えられるようになってきたためだ。「低価格帯のネットブックは2台目のPCとして購入する人が多かったが、持ち運びもできてデスクトップの置き換えにもなるような高性能ノートPCの需要が高まっている」と吉田氏は言う。
そこでインテルでは、持ち運びできるPCの要素も高性能PCの要素も満たした新しいカテゴリとして「超薄型ノートブックPC」を提案した。インテル マーケティング本部長の江田麻季子氏は、「1人1台がPCを所有する時代において、この超薄型ノートブックPCがPCのモバイル利用をより促進する」と述べた。
また、インテルはWiMAXの普及促進にも力を入れているが、吉田氏は「WiMAXでどこからでもインターネットにつながる世界が実現する。そうなれば超薄型ノートブックPCが市場のリーダーとなるだろう。つまり、WiMAXの展開と超薄型ノートブックPCは切り離せないのだ」と話す。「インテルでは、ワイヤレスLAN機能がすべてのPCに入るようになったのと同じように、WiMAX機能もすべてのPCからアクセスできるようにしたいと考えている」と吉田氏は述べ、WiMAXで新たなビジネスチャンスを創出するとした。
説明会では、ノートPCがさまざまなデバイスのワイヤレスハブとして機能するMy WiFi テクノロジのデモも行われた。My WiFiでは、PCをインターネットに接続したまま、デジタルカメラや携帯電話、プリンターなど、最大8台までのWiFi対応機器がPCに接続可能となる。デモでは、Appleの「iPhone」をMy WiFiネットワークに接続し、携帯電話の3GネットワークではなくPCのWiFi経由でiPhoneをインターネットに接続し、iPhoneで撮影した写真をそのままブログに掲載したり、My WiFi機能でつながったプリンタからiPhoneの写真を印刷したりといったことが行われていた。
My WiFiは、近い将来発売されるPCに搭載されるほか、Windows Vistaユーザーであればインテルのホームページからダウンロードして利用することも可能だ。