「Internet Explorer」の最新版である「Internet Explorer 8」(IE8)の開発において、Microsoftの最優先事項は数値に表れる性能向上ではなく、ユーザーインターフェース(UI)だと、あるMicrosoft幹部が発言している。
この幹部はMicrosoftでアジア太平洋地域の「Windows」クライアントビジネスグループに所属する製品マーケティングディレクターのStephane Kimmerlin氏だ。IE8のベータ2の報道陣向けデモにおいて、同氏は同ブラウザの重要な機能はUIの強化で、これはいくつかの一般的に使われる操作を自動化することを目的に導入されていると語った。
UIと比べると、ページ読み込みの速度など、数値性能の優先度は低かったと同氏は述べている。
Kimmerlin氏は、IE8が搭載するJavaScriptエンジンの速度について聞かれた際に「IE8の設計では、性能を真っ先に頭に置いていたわけではない」と答えた。
Microsoftで、開発者およびプラットフォーム啓発チームのプラットフォーム戦略アドバイザーを務めるNick Wong氏は、「それは、(異なるJavaScriptエンジン間に)果たして識別できるほどの(速度の)差があるのかという問題だ。(中略)IE8は、ページのリロード速度も速くなっているし、応答も速い」と付け加えた。
IEと競合するブラウザ「Chrome」では、これを開発した検索大手のGoogleが、そのV8 JavaScriptエンジンの速さをしきりにアピールしている。Googleによると、ChromeはJavaScriptアプリケーションを競合製品よりはるかに速く処理できるという。
Kimmerlin氏はまた、IE8 ベータ2のシステムリソース要件について、IE7のそれと比較して言及するのは時期尚早だと述べ、ユーザーに対し、性能を測定するベンチマークテストを実施するのは最終製品版がリリースされるまで待つべきだと述べた。
IE8では新たに、「Accelerators」と呼ばれる機能が追加される。これはウェブページ内からさまざまなショートカットメニューを呼び出せる機能で、これによりユーザーは従来よりすばやく、さまざまな情報にアクセスが可能になるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ