Mozillaは、当初の予定より数カ月遅れとはなったものの、「Firefox 3.0」のサポートを終了する。
Mozillaは米国時間3月16日、会議の計画文書に「今後はFirefox 3.0.xのアップデートが提供されることはない」と記した。MozillaのこのWikiページによれば、最終アップデートは「Firefox 3.0.19」となり、30日にリリースが予定されている。Mozillaは、週末に最後のセキュリティフィックスに取り組み、それからこの新バージョンのビルドを開始した。
Mozillaは、1月にFirefox 3.0のサポート終了を計画していたものの、「Firefox 3.6」のリリースが予定よりも遅れたため、その終了時期は延期されていた。
今回の流れは、より頻繁にブラウザのアップグレードを実施する方針への段階的なシフトを受けたものであり、これにより、新機能の着実な対応に加えて、旧バージョンのブラウザのテストやサポートに費やされていたリソースの解放と、それに伴うセキュリティ上のリスク軽減が実現する。Googleは、この分野において、より積極的な姿勢を見せている。同社の「Chrome」ブラウザは、デフォルトでバックグラウンドにて自動的に更新する設定となっており、新たなリリースは、到達したバージョン番号ではなく「マイルストーン」として引き継がれている。
Microsoftは、より頻繁にブラウザのパッチを出しているものの、長期的な視野を抱く点では異なった見解が示されている。依然として同社は、2001年にリリースされた「Internet Explorer(IE)6」のサポートを継続している。IEのゼネラルマネージャーであるDean Hachamovitch氏は、今週に入ってリリースされた「IE9」のプラットフォームプレビュー版に関するインタビューで「われわれは、人々の前進を大変好ましく思う。ぜひ人々に前進していってほしいと願っている」と述べたが、一方では、セキュリティアップデートの提供には「責任を持って」取り組んでいかねばならないと語った。
ブラウザは急速に進化しながら、ますます重要性を増している技術であり、クラウドコンピューティングへの移行の中心を担っている。とはいえ、開発側とユーザーの間には緊張状態が存在することも事実であり、ユーザーにとって、変化は技術面で問題となったり、互換性の観点で高い代償を強いたりするものともなり得る。標準仕様との互換性は、こうした移行を容易にするものとなるが、ウェブ標準は流動的であり、ブラウザやウェブサイトで一貫してサポートされているものではない。
Mozillaは、2008年6月にFirefox 3.0を大々的にリリースし、その後は「Firefox 3.0.18」まで修正が加えられてきた。Firefox 3.6が現在のサポートされているバージョンであり、当然ながら、今後の開発も進行中である。Mozillaは、後継版で2度のパブリックアルファ版を公開している。同バージョンは、現時点では「Firefox 3.7」と呼ばれているものの、これが最終的な名称に決定したわけではない。
より間近なところでは、Mozillaから「Lorentz」と呼ばれるFirefox 3.6のアップデートが提供される予定である。Mozillaは、Lorentzのベータ版の提供を目指してきた。だが、その主要な機能となるOOPP(out-of-process plug-ins)の設計では、「Flash Player」などを分離したメモリコンパートメントで稼動させてクラッシュを減らすことを目標としているものの、問題点も多いことが判明している。さらに、Mozillaのプログラマーは、ようやく「Mac OS X」に対応するOOPPの開発に着手したところである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ