iPadからPCデスクトップを遠隔操作
iPadの9.7インチ、1024×768ピクセルというIPS液晶パネルは、応用範囲が広い。132dpiと精細度ではiPhone 4のRetinaディスプレイに譲るが、電子ブックでも写真でも適度な大きさで表示してくれる。タッチディスプレイはサイズが小さくなると操作ミスを起こしがちだが、その大きさゆえに意図した位置を正確にタップできる。機動性を犠牲にしてでも視認性と操作性を重視したデバイス、といえるだろう。
その“モバイル端末にしては大画面”という特性に着目したのが、ドイツのTeamViewerだ。同社のリモートコントロールソフト「TeamViewer」は、Mac OS XとWindows、Linuxという3種のOSに対応、相互にデスクトップを遠隔操作するソリューションを提供してきたが、そこにiPadが追加された。
そもそもTeamViewerというソフトは、“使いやすさ”が身上。複数のPCから1台のPCへの同時アクセス、ファイル転送機能、チャット機能、VPN接続のサポートなど豊富な機能を備えていながら、IPアドレスやファイアウォールなどネットワーク関連の設定は必要なく、被接続側(サーバ)の画面に表示されたIDとパスワードを接続側(クライアント)の画面に入力する程度で、セットアップは完了する。しかも個人利用は無料だ。
今回リリースされたiPad版「TeamViewer HD」は、3月に提供開始されたiPhone版と基本的な機能は共通。遠隔操作を受け付けるサーバとしての機能はないが、TeamViewerが動作するMacとWindows、Linuxを遠隔操作できるクライアント機能を備える。
接続経路はWi-Fiと3Gの二種類、3G版iPadであれば場所を選ばず自宅/オフィスのPCを遠隔操作できる。他のTeamViewerシリーズ同様、個人利用は無料、商用版のTeamViewer Pro HDは1万6000円だ。