SAS Institute Japanは11月18日、ソーシャルメディアなどインターネット上での意見や評判を分析し、マーケティングに活用するためのSaaS型ソリューション「SAS Social Media Analytics」を発表した。同日より提供開始する。
米SAS Institute 上席副社長 兼 最高マーケティング責任者のJim Davis氏は、SASがHarvard Business Reviewと共同で実施したソーシャルメディアに関する調査から、「多くの企業はソーシャルメディアの重要性を認識しており、ソーシャルメディアを活用したいと考えているが、どのように活用すれば良いのかを理解している企業は少ない」と指摘、今回発表したソリューションが市場で求められている背景を説明した。
SAS Social Media Analyticsは、オンライン上の会話や発言から得られる情報を収集、分析し、マーケティング施策の改善や最適化を支援するソリューション。情報収集の対象となるのは、Twitter、Facebook、YouTubeに加え、ソーシャルメディアやCGM(Consumer Generated Media)のデータアグリゲーションサービスであるBoardreader、さらにはブログやRSSなどだ。
同ソリューションでは、収集したテキスト情報をSAS独自のタクソノミ(階層分類)モデルによって分類し、特定のブランドやトピックに対するエンドユーザーの反応が肯定的か否定的かを分析する。分析されたデータから、トレンドを把握したり、誰がインフルエンサーとなって数多くのユーザーに影響を与えているのかなどがわかるようになっている。言語処理は拡張可能で、設定を調整して感情や気持ちをトピックに割り当てることで、より高精度に感情の抽出ルールが形成され、ユーザーの好き嫌いをより的確に把握できるという。データは、分析開始時から2年以上さかのぼってアーカイブとして維持できる。
また、SAS Social Media Analyticsは、オンライン上の影響を定量化し、将来的なソーシャルメディア上の会話量と業績への影響を予測することも可能だ。予測に基づいたシナリオを作成し、ブランド選好やウェブトラフィック、オンラインキャンペーンの効果などのマーケティング指標との関連づけもできるという。
SAS Social Media Analyticsでは、こうしたデータをウェブベースのダッシュボードやレポート、ワークフロー対応アラートを通じてリアルタイムに提供する。これにより、「ソーシャルメディアを活用して市場動向や業界トレンドの影響が把握できる。また、自社ブランドを保護したり、直接インフルエンサーに働きかけることもでき、よりよいカスタマー体験に結びつけられる」とDavis氏は語る。
SAS Social Media Analyticsの価格は、モニターするブランド数にもよるが、導入サービスが500万円から。契約は年間契約が基本となるが、月額の利用料は100万円からになるという。