Oracleは一連の主要なソフトウェア企業買収拡大の新しい試みで、ライバルのBEA Systemsを1株あたり17ドル、総額約66億6000万ドルの現金で買収することを提案したが、BEA側は金額が低すぎるこの提案を拒否した。
提案されている買収が完了すれば、Oracleにとっては長年にわたってソフトウェア業界を最大限統合しようという取り組みを強化している間にBEAは成長を目指して何をしてくるのだろうかという懸念が一掃されることになる。
「Oracleの(中略)BEA Systems買収の提案は、BEAの将来をめぐる疑問に対する当然の帰結である」と、Technology Business ResearchのアナリストであるStuart Williams氏は米国時間10月12日、Oracleの買収提案の発表後に語った。「OracleはBEAのテクノロジを直接Oracleのスタックに統合および強化し、同時に競争相手を消滅させて年間14億ドル近い売上高を上乗せできる」
Oracleの提案は、10月9日にBEAの取締役会あてに文書で伝えられ、内容はBEAの10月11日の終値である13.62ドルに25%のプレミアムを乗せるというものだ。BEAの株価は10月12日の午前の取引で33%(4.49ドル)高騰し、18.10ドルを付けた。
しかしBEAは10月11日にこの提案を拒否した。「当社の取締役会としては(中略)BEAがOracleやその他の企業にとって、そしてこれは重要なことだが、株主にとっても貴社が文書で提示した値段よりもはるかに大きな価値があることは明白である」と、BEAでビジネスプのランニングと開発を担当するバイスプレジデントのWilliam Klein氏がOracleにあてた文書(BEAが10月12日に公開)で述べている。
BEAの株価がOracleの提示価格よりもはるかに値上がりしている事実は、ウォールストリートがBEAはもっと高い価格で売れるかもしれないと予測していることを示している。そして、BEAが株主のライツプラン(敵対的買収をかなり困難にするため「ポイズンピル(毒薬条項)」という名称で知られる)を採用したことを考慮すると、BEAはOracleとの協議である程度の交渉上の力を持っていると考えられる。
カリフォルニア州サンノゼに本社があるBEAは、IBM、Oracleやその他のさまざまなオープンソースソフトウェアプロジェクトからの圧力にさらされており、以前からOracleやその他の企業から買収の対象と見なされていた。新製品のラインを導入したにもかかわらず、新しいライセンスによる売上高は過去2年間、芳しくないかむしろ下落している。一方、億万長者であり投資家でもあるCarl Icahn氏は、10月初めにBEAの株式を買い増し、株保有率が13.2%になったが、Icahn氏はこれまでBEAに対して自社を身売りするように強く勧めてきた。
Oracleはデータベースソフトウェアの販売で現在の勢力を築き上げたが、同社は、いわゆる他のエンタープライズソフトウェア(大企業がビジネス運用に使用するソフトウェア)の企業を買収することによって規模を拡大してきた。2004年、PeopleSoftをめぐる激しい買収競争に勝利して同社を100億ドルで買収した。2006年にはSiebel Systemsを58億ドルで買収した。そして2007年にはHyperion Solutionsを33億ドルで買収した。