米Yahooとアクティビスト投資家のCarl Icahn氏は、委任状争奪戦を行うことなく、和解に至ったことを米国時間7月21日に発表したものの、真の勝者はMicrosoftかもしれない。
今回の和解によって、Yahooの取締役会役員は全11名に増員され、Icahn氏と、同氏が推す取締役候補者の中から2名が、新たに増える3名の取締役会役員に就任することが明らかになった。これによりMicrosoftは、Yahooの全社買収であれ、検索関連部門のみの買収であれ、将来どのような買収案を提示するとしても、支持を得やすくなったと、複数の情報筋が伝えた。その結果として、Microsoftは、遅かれ早かれ再び買収案を提示する可能性が強まったと、これらの情報筋は明らかにしている。
買収や合併を専門とし、以前に委任状争奪戦にも深く関わった経験を持つ弁護士は「この和解は、Microsoftにとって有利に働くことになる。これまでの経営陣が関心を抱いていた点とは、異なる見解を持つ取締役会員が就任することにより、新たな方向性を検討する新たな機会が開かれるだろう」と語った。
機関投資家向けの投資顧問会社のRiskMetrics Groupで、M&A調査担当ディレクターであるChris Young氏は、今回の和解を受けて、Microsoftが再び交渉の席に戻ってくる可能性があると述べている。
「私の意見では、(和解の前日の)20日時点と比較して、再びMicrosoftが交渉の席に着く機会が大きく開かれるようになった。ただし、買収交渉が成功するかどうかに関しては、予断を許さない」と、Young氏は語っている。
Young氏は、Icahn氏が委任状争奪戦から手を引き、8月1日のYahooの株主総会に向けて圧力をかけることがなくなった現在、もはやMicrosoftにとっては、Yahooの全社買収や部分的買収の提示を遅らせる理由が、なんら存在しないという点に注意を向けた。
「Microsoftは以前、Icahn氏がYahooに対して仕掛けた委任状争奪戦の影響力を利用していた。だが、もはやその影響力は過去のものである。Microsoftが本当にYahooとの交渉に興味があるならば、その影響力を最大限に引き出すためにも、遅らせる理由などないはずである」と、Young氏は述べた。
Yahooは、RiskMetricsと17日に会合を持ち、なぜ現在の取締会役員が、1年の任期で再選されることが必要だったのかを説明し、Icahn氏とも、22日に会合を持つ予定であったことを、Young氏は明かしている。RiskMetricsや、他の機関投資家向けの投資顧問会社は、委任状争奪戦において、どのような票を投資家らが投じるべきかに関して、勧告を出す。この結果、投資顧問会社は委任状争奪戦で大きな影響力を発揮することとなり、ミューチュアルファンド、年金ファンド、アセットマネージメント企業といった顧客に対して、出された勧告に基づく票を投じるように促す力がある。
Young氏は「今回の和解は、委任状争奪戦を展開するならば、取締会役員席を数席失いかねないと、Yahooが懸念していたことを示唆するものともなる」と語っている。
この件に関して、YahooおよびMicrosoftからの正式なコメントは、すぐには得られていない。Icahn氏からも、電話での回答を得られなかった。
Microsoftは、Yahooの現在の取締役会に対抗する、Icahn氏の委任状争奪戦を支持する発表を、7月初旬に行うに当たり、もはやYahooの現経営陣とは交渉するつもりがないことを明らかにしていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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