Sony Ericssonは、現社長の小宮山英樹氏が2009年末に退任する予定であることを、現地時間8月17日に発表した。
赤字経営に苦しむSony Ericssonの新社長に就任するのは、Ericssonから異動してくるBert Nordberg氏である。Nordberg氏は現在、シリコンバレーでEricssonのネットワーク開発調査部門を指揮しているものの、9月1日よりSony Ericssonの共同社長に就任し、スムーズな移行作業を進めていくことになる。
Ericssonの最高経営責任者(CEO)であるCarl-Henric Svanberg氏は、「Sony Ericssonで社長を務めた2年間に、小宮山氏が社内にもたらした変化の意義は非常に大きなものであり、企業転換への基盤を据える重要な役割を果たした。小宮山氏がSony Ericssonを去るのを見るのは辛いが、その決定を全面的に尊重していきたい」と語った。
Sony Ericssonは、2008年半ばから赤字経営に陥っており、黒字化を目指した数千人規模のレイオフを進めているところである。同社は現在、新たなエンターテインメント中心の戦略に望みをかけている。同戦略の一端を担うマルチメディア携帯電話の新モデルが、2009年内に発表される計画も明らかにされている。
GartnerのアナリストであるCarolina Milanesi氏は、ZDNet UKに対して、間近に新モデルの発表を控えた今回のタイミングでの小宮山氏の退任は「奇妙なこと」であると述べた。
「現時点で最も注目されるのは、2009年第4四半期にリリースされる新製品である。とはいえ、一連の新製品が成果を上げる機会すら差し伸べられなかったように感じている。もし発表される新製品群が業績に大きな変化をもたらすと考えられているならば、このタイミングで小宮山氏がSony Ericssonを去るのは少し不自然なことである」と、Milanesi氏は語っている。
なお、小宮山氏は声明を出して、「転換プログラムを完了し、次なる開発段階にSony Ericssonを導くことのできる人物にSony Ericssonの指揮を移行し始める」上でふさわしいタイミングであると感じていることを明らかにした。
一方、ソニーのCEO兼会長兼社長であるHoward Stringer氏は、新たにSvanberg氏に代わって、Sony Ericssonの取締役会議長に就任することになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ