Mozillaは、策定から10年以上が経過した同団体のオープンソース基盤を一新すべきときが来たという結論に達した。
Mozillaの「Firefox」ブラウザおよび「Thunderbird」電子メールソフトウェアは、「Mozilla Public License」(MPL)によって管理されている。このライセンスは、Mozillaのソフトウェアを自らのプロジェクトで使いたい、さまざまな方法で拡張したい、あるいはソフトウェアを支えているプログラミング命令をただ覗いてみたいといったプログラマーに対し、どのような権利および制限が適用されるのかを決定する。
「Mozilla Public License Version 1.1は10年以上にわたり、Mozillaやそのほかのプロジェクトによって使用されている。同ライセンスの精神は、われわれの拡大し続ける大規模コミュニティーの根幹をなす価値観の一部を伝えることによって、われわれの役に立ってきた。しかし、その言い回しの一部が時代に合わなくなっている可能性がある」とMozillaは米国時間3月10日、ライセンス改定の発表で述べた。
大ざっぱに言えば、ユーザーはMPLを利用すると、修正のソースコードがMPLの下で共有される限り、MPLが管理するソフトウェアに修正を加えることができる。しかし、MPLを利用すれば、企業などがMPLコードと自らのプロプライエタリなソフトウェアを混ぜ合わせたソフトウェアのバイナリ版(コンピュータが直接実行するもの)を配布することも可能になる。
オープンソースのライセンスとしてふさわしいものにするため、Mozillaは必要な措置について外部の意見を求めている。そして、GNU General Public Licenseバージョン3(GPLv3)策定時の困難を考えると非常に意欲的とも言えるスケジュールの下、Mozillaは10月か11月には、この作業を終えることを期待している。
適用範囲に関する文書によれば、同ライセンスは今後もFree Software Foundationの「フリー(自由という意味のフリー)」に関する定義とOpen Source Initiativeの「オープンソース」に関する定義を満たすが、これまでより簡略化されたものになるという。
これらの変更点に対する検討(コミットメントではない)は、もっと内容が充実している、とMozillaは述べた。
- われわれの特許条件とより広い範囲の両方でApache(License)に対応し、MPLを使用するプロジェクトが、Apacheライセンスのコードをより柔軟に使えるようにする。
- われわれの特許ライセンス許可の効果(特に第8.2項)を、最新のライセンシング慣習を反映したものにする。
- ライセンスをグローバル化し、さまざまな貢献をするユーザーで構成されるMozillaのグローバルコミュニティー向けに適したものにする。
- ライセンス拡散を抑制するため、ライセンスをテンプレート化したり、ほかの派生ライセンスの作者との連携も含めた適切な手段を講じたりする。
- ソースと実行ファイルの区別を更新して、インタープリタ型言語やバイナリ修正、ノンコードユーザーといった最新の開発慣習に合うものにする。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ