セキュリティ企業のSymantecは米国時間4月29日、製品ライン強化のため暗号化ベンダーのPGPとGuardianEdge Technologiesを買収すると発表した。
SymantecはPGPとGuardianEdgeの暗号化製品を自社のデータ損失防止スイートとエンドポイント保護製品群に統合する計画だと、Symantecのエンタープライズセキュリティグループ担当バイスプレジデントであるFrancis deSouza氏は述べている。
「今回の2件の買収により、年間14億ドルある暗号化事業で市場トップの地位が当社にもたらされる」と、deSouza氏はZDNet UKに語った。「Symantecでは、データ保護を管理しやすくすることに力を入れており、今回の買収はこの取り組みを大きく前進させる」
米国とドイツの独占禁止規制当局から承認を得られたら、SymantecはPGPに3億ドル、GuardianEdgeに7000万ドルを現金で支払う。deSouza氏によると、この四半期中に承認されるとSymantecは考えているという。
PGPとGuardianEdgeの製品には重なるものが多い。PGPの製品ポートフォリオには、ディスク暗号化、電子メール保護、ファイルとサーバの暗号化、認証などがある。GuardianEdgeは、ハードディスクの暗号化、認証のほか、ストレージの暗号化とスマートフォンの保護も提供している。Symantecはすでに、エンドポイントの暗号化とホスティング型の電子メール暗号化の製品を販売している。
Symantecは獲得した暗号化製品とサービスの全体をPGPの鍵管理にまとめる計画だ。最終的にはSymantecの保護製品すべてに暗号化が組み込まれる、とdeSouza氏は話す。
今回の買収は人員の削減につながるかもしれないとdeSouza氏は認めている。ただ同氏は、買収される両社とSymantecの従業員の大半が職にとどまれるだろうと言う。
「今は統合に向けた計画の段階にある。現行スタッフの大部分はSymantecに入るとみている」と、deSouza氏は説明した。
PGPとGuardianEdgeのブランドは残る予定だが、必ずしも別々の事業になるわけではない。deSouza氏によると、Symantecは長年にわたり両社と個別に提携してきて、2010年の第1四半期中に初めて買収の可能性が議論されたという。Symantecは1月に、2010年度第3四半期(2009年11月-2010年1月)の決算で15億5000万ドルの売り上げを報告し、最高経営責任者(CEO)のEnrique Salem氏はこれを「驚くほど好調だ」と評していた。
Symantecは2008年に、電子メールセキュリティのMessageLabsを買収している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ