Microsoftは「Windows」におけるVPNテクノロジの使用を巡る特許侵害訴訟で、VirnetX Holdingに2億ドルを支払うことで和解した。両社が米国時間5月17日に発表した。
和解条件の1つとして、Microsoftは同社製品でVirnetXのテクノロジを使用するためのライセンスも取得する。
VirnetXは2007年、Microsoftが「Windows XP」および「Windows Vista」で、VirnetXのVPN関連の特許2件を侵害したとして、Microsoftを訴えた。米国連邦地方裁判所は2010年3月、争点となっているVPN特許をMicrosoftが故意に侵害したと認定し、同社にVirnetXへの1億575万ドルの損害賠償金支払いを命じる、VirnetXに有利な判決を下した。
評決が下された数日後、VirnetXは特許侵害が認められたこれらのテクノロジが「Windows 7」および「Windows Server 2008 R2」でも使用されているとして、Microsoftを相手に別の訴訟を提起した。
VirnetXは、Microsoftが米国特許番号6502135および7188180を侵害したと主張している。いずれの特許も、VPNや同様のテクノロジを通して、IPベースの通信のセキュリティを確保する方法が対象となっている。
今回の和解条件の1つとして、これらの訴訟は取り下げられることになった。Reutersによると、2億ドルという最終的な損害賠償額は、Microsoftが最初に支払いを命じられた1億575万ドルの約2倍の金額だが、両社が和解に達していなかった場合、損害賠償額は3倍に増えていた可能性もあったという。
それ以外の和解条件は明らかにされなかった。両社は和解を共同で発表したが、VirnetXはこの機会を利用して、新しい「Secure Domain Name Initiative」に言及した。
その一方で、Microsoftは簡潔に考えを述べた。「われわれは今回の和解を通して、VirnetXと協力し、これらの問題を成功裏に解決できたことを嬉しく思う」とMicrosoftの法務顧問代理であるTom Burt氏は声明の中で述べた。「われわれは、VirnetXがテクノロジの開発を通して、今後も進化し続けるのを楽しみにしている」(Burt氏)
VirnetXはインターネット上での通信を支援するソフトウェアを開発しているが、これまで財政面では苦労してきた。VirnetXが5月7日に規制当局へ提出した書類によると、同社は会社創設時から3月31日までに4059万ドルの損失を計上しており、計25万5685ドルのロイヤリティ収入を得ている、とReutersは報じた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ