Mozilla Foundationの子会社で「Firefox」プロジェクトを担当するMozilla Corporationが、開発者やオープンウェブコミュニティーでは有名なTantek Çelik氏を、ウェブ標準推進の責任者として迎え入れた。
しかし、組織内に問題を抱え、Googleのブラウザ「Chrome」の猛追にさらされているMozillaの中で、今回のÇelik氏の招請は具体的にどう位置づけられるのだろうか。米CNETでは新しい役職に就く前夜となる米国時間5月25日に、Çelik氏に話を聞いた。Chromeの先を行く、あるいは支配力を強めるFacebookに対処するといった話はあまり出ず、自らの真のターゲットは「iPhone」で、iPhoneがすべてを見事にやり遂げている点に注目していると、Çelik氏は語った。
Mozillaは「オープンウェブのプラットフォームがiPhoneと『iPad』に数歩遅れを取っていることを理解している」とÇelik氏は語った。同氏は今のところMozillaとは請負契約を結んだ段階だが、もっと重要な立場になる可能性もあるという。「自分たちが(ウェブ標準という)進化レースのただ中にあり、各人の熱気を高める必要があることを、Mozillaはわかっている」と同氏は述べた。
大きく見ると、MozillaにおけるÇelik氏の役割は2つになるだろう。ユーザーインターフェース、およびソーシャルネットワーキングへの対処だ。
Çelik氏は「わたしの目標は、ウェブ開発者が期待するウェブアプリのサポートのレベルを、Firefoxが高めることだ」と語り、同氏のMozilla内での活動により、HTML5やCSS3などの標準によって構築されるブラウザベースのアプリケーションが、ユーザーインターフェースおよびソーシャルネットワーキングとの連携において、iPhoneやiPadのアプリと肩を並べるまでになることを望んでいると述べた。「シンプルかつオープンで利用しやすいウェブ標準を自らの基盤にすることで、分散型ソーシャルウェブサイトからなる全く新しい時代を切り開くことが可能になるというのが、わたしの信条だ」とÇelik氏は言う。
自身のサイトで、自らの仕事上の目標を「現代的なウェブ標準であなたやあなたの会社が大活躍するお手伝い」と説明しているÇelik氏は、かつてAppleとMicrosoftの両社で働いた経験があり、MicrosoftではMac OS向け「Internet Explorer」の開発に携わっていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ