Microsoftは、ロシアの情報機関に対して「Windows 7」「Microsoft Windows Server 2008 R2」「Microsoft Office 2010」「Microsoft SQL Server」のソースコードを利用可能にすることでロシア政府と合意した。ロシアの情報サイトVedomostiが現地時間7月8日付けの記事で報じた。
ロシアのMicrosoftでプレジデントを務めるNikolai Pryanishnikov氏は同記事の中で、これがロシアとMicrosoftの双方にとって意味のある取り組みであると述べている。ロシアはMicrosoftのプログラムが同国の国家機関で使用されるうえで要件を満たしていることを確認でき、一方のMicrosoftは公共機関との連携を拡大することに関心を示している。
Microsoftの広報担当者は、このたびの合意により、政府機関はMicrosoft製品のソースコードを分析可能になるとVedomostiに述べた。さらに、同国の情報セキュリティシステムを開発する連邦政府機関Atlasが分析情報を利用して同社最新製品ライン向けの暗号防御を開発する予定であるという。Pryanishnikov氏はVedomostiに対し、Atlasとロシア連邦保安庁はこうした分析結果をその他の政府機関と共有できると述べた。
Microsoftは2002年、「Windows XP」「Windows 2000」「Windows Server 2000」のソースコードアクセスに関する合意をロシア政府と結んでいる。
英ZDNet.co.ukが英国時間8日に英国政府に近い人物から得た情報によれば、この2002年の契約はMicrosoftが進める「政府向けセキュリティプログラム」(Government Security Program)の一環として締結されたものだったという。同情報筋は、これには北大西洋条約機構(NATO)も参加していると述べたうえで、複数国の政府がMicrosoftのコードにアクセスできるということは、特定の政府がセキュリティホールを見つけては他国のシステムへの侵入に利用することができることを意味すると述べている。