2年間で約470億円の申告漏れ--日本HP「税法にのっとり適正に申告」

田中好伸(編集部)

2010-08-11 18:30

 朝日新聞によると、日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は、東京国税局の税務調査で2006年10月期までの2年間で約470億円の申告漏れを指摘された。日本HPはZDNet Japanの取材に対し「日本の税法にのっとって適正に申告している。会社のルールに関することなので詳しくコメントできない」としている。

 報道によれば、米Hewlett-Packard(HP)グループは2005年ごろから世界各地の製造や販売の子会社に共通の人事や総務などの管理業務をHP本社に集約、HP本社は2005年と2006年の決算期末にスイスに設立した子会社を通じて、管理業務費として日本HPに計約470億円を請求し、日本HPは一般的な事務管理やグループの維持運営に費やした経費として、同額を払ったという。

 しかし、東京国税局は「何のサービスに対する経費なのかが明確ではなく、合理的支出ではない」と判断し、経費計上を認めずに約470億円少なくなった分を申告漏れにあたるとしている。追徴税額は約230億円と見られている。日本HPは同額を納付した上で東京国税局に異義を申し立てているようだ。

 HPグループのように、多国籍企業の多くは近年、管理部門を子会社におかずに親会社が直接その機能を担う“シェアードサービス”化をするのが一般的であり、子会社はその費用を親会社に支払うことが多い。今回の日本HPの申告漏れは、そうしたシェアードサービスの利用形態について疑問を呈したことになる。日本HPでは、今回の件について「米HPはニューヨーク証券取引所に株式を公開しており、会社のルールに関することは詳しくコメントできない。税務については、各国の税制にのっとって適切に対処している」と、ZDNet Japanの電話取材に回答している。

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