ノベルは12月8日、SUSE Linuxの最新情報や今後のロードマップを説明した。同社はソフトウェア企業のAttachmateに22億ドルで買収されることで合意したと11月22日付けで発表している。これに関する新規の発表事項はなかったが、進行中のSUSE関連のプロジェクトがいずれも堅調に進ちょくしていることをアピールした。
説明にあたったのは米Novellのシニアバイス・プレジデント兼オープン・プラットフォーム・ソリューションズ担当ゼネラルマネージャのMarkus Rex氏だ。同氏はSUSE Linux Enterpriseなど同社のオープンソースやオープンプラットフォーム技術を包括する製品開発を統括している。
Rex氏は直近の状況として、Novellが夏以降に発表したプロジェクトの最新の動きを取り上げた。このうちLinuxベースのソフトウェアアプライアンスを公開できる「SUSE Gallery」については、「ユーザーが優れたアプライアンスを公開する動きが広がり、その中からベストを決定するコンペティションが活況を呈している」という。
またソフトウェアアプライアンスを開発するための「SUSE Appliance Toolkit」については、新版の1.1で進めたエンタープライズ向けの機能拡充を強調。1.1ではAmazon EC2用イメージの構築や、仮想マシンのイメージフォーマットであるKVM、OVFに対応。現在、Amazon EC2上ではSUSE Linux Enterprise Server(SLES) 10および11の利用が可能となっている。またSLESについては、来年前半にSLES10用のSP4、後半にはSLES11のSP2をリリースする予定だ。
同氏は今回の説明会を通じ、従来続けてきたSUSEビジネスについて、ユーザーが安心して使い続けられる環境を提供し続ける姿勢を示した印象だ。なお買収後のNovellが、NovellとSUSEの2つの事業に分かれ運営される計画であることについては、正式なアナウンスがない中での言及は難しいと前置きしたうえで、「それだけSUSEを重視することの表れではないか」と一定の評価を示した。