インテル、NVIDIAとクロスライセンス契約--15億ドルを支払いへ

文:Brooke Crothers(Special to CNET News) 翻訳校正:編集部

2011-01-11 12:14

 Intelは、新たに合意した6年契約の一部として、NVIDIAにライセンス料15億ドルを支払うことでNVIDIAの特許を利用することになった。

 NVIDIAは米国時間1月10日、「NVIDIAの技術を今後使用するため、Intelは、NVIDIAに対して計15億ドルのライセンス料を支払う。このライセンス料は、5年の年賦で支払うことが可能で、その期間は2011年1月18日より始まる」と発表した。

 さらに、NVIDIAとIntelは、両社間で係争中の法的な争いをすべて取り下げることに同意した。

 今回の契約において重要なのは、IntelはNVIDIAが所有するすべてのGPU特許を利用可能となるが、NVIDIAはIntelが所有する特定の特許だけしか利用できないという点だ。この特許利用における不公平さを是正するため、IntelはNVIDIAに15億ドルを支払うことになる。

 IntelとNVIDIAは2009年前半、チップセットの元々のライセンス契約をめぐる争いで相互に提訴していた。Intelは、そのクロスライセンス契約がIntelの次世代プロセッサには及ばないとする一方で、NVIDIAは自社特許ポートフォリオの利用を阻止するため反訴した。

 NVIDIAは事実上、「Core 2 Duo」より後の世代のプロセッサに対し、Intel互換のチップセットを開発することを禁じられていた。例えば、Appleの第2世代「MacBook Air」は、NVIDIAチップセットをIntelのCore 2 Duoプロセッサと併用している。しかし、NVIDIAは、新しい世代の「Core i3」「Core i5」「Core i7」プロセッサ向けのチップセットを開発することはできなかった。これにより事実上Appleは、同社がNVIDIAのチップセットを合法的に使用するためには、Intelの古い世代のプロセッサであるCore 2 DuoをMacBook Airで利用し続けるしかなかった。

 10日に発表された今回の契約は、NVIDIAがIntelのx86技術を利用するのを依然禁じており、その結果、NVIDIAは最高経営責任者(CEO)Jen-Hsun Huang氏は、この点について関心がないことを明らかにしている。同氏は10日朝、「これまでに何度も言っているように、Intelプロセッサ用チップセットを製造する意志はない」と電話会議で述べた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]